出店準備⑤

「それは、分かった。しかし、募集したのは目利きのできる人だ。君たちは何の目利きができるの?」


この子達の状況は分かった。

しかし、俺が今するべきことは良いパートナーの選択だ。

ここに、甘えは許されない。

もちろん、年齢なども関係ない。


「私は、アクセサリーとか。宝石とか。かわいい物とか説明は

難しいけど、トニカクいっぱいあるんです」


「俺は、魔具とかならできます」


魔具?聞いた事がなかった。


「ごめん、魔具って何?」


彼は、大きく目を見開いた。


「えっ!知らないんですか」


「ごめん」


「本当みたいですね。魔具は、魔力を用いた家具です」


これを聞いた瞬間、合点がいった。

この世界の、電気とは光が灯っているのに、コードのような物はなかった。

気になっていたけど、放置していたが、ここでやっと原理が知れた。


「なんで、魔具に詳しいの?」


「それは、貴族だったころに家は、魔具を作っていたから、修理の依頼も多くて見積りを出してたから、大体わかるんだ」


確かに、魔具はこの世界に大きく流通していた。

この子さえいればかなり役立つと直感した。


「ここで、働こうとしていることを親は知ってるの?」


「知りません。もういないので…………………………殺されたので」


なんで、この世界はこんなにも残酷なのだろう。

しかし、この二人なら…………………………



「二リス人、この言葉を聞いて最初に出てくる物は?」


この瞬間、明らかにプリンがビクッと動いたのが分かった。

プリンの方を見てみると案の定、目線を逸らし、今にもこの部屋から出そうになっていた。


「私たちは、母親に人を見た目で判断するなと、ずっと言われ続けてきました。なので、目で見るまで分かりません」



こんなにもいい回答があるのだろうか。

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