金欲しい②
「では、早速だがプリンの人権に関しての相談ってことでいいんだな」
「はい、間違いありません」
「なぜプリンが欲しいんだ?」
プリンはここに来たばかりで、あまりこの場の状況をつかめていないみたいだ。
「この事業に彼女が必要と判断したからです」
「お前は行ったことないから言うが、奴隷市場に行けばこいつなんかよりも、優秀な奴隷はいくらでもいるぞ」
俺にとって優秀かどうかなんてどうでもいい。
大事なのは、俺にとって必要かどうかだ。
「でもいいんです。プリンがいいんです」
「もしかしてお前、性奴隷にするつもりか」
もちろん、そんな気はない(今のところはだが………)
「そんなことしませんよ」
「まぁ、こいつを売ってやってもいいぞ。買値の三分の二でどうだ」
金額を聞いたが、さっき貰ったお金を使えば払えるが、ほとんどなくなってしまうほど高額だった。
でも、買わない手はなかった。
「それで、いいでしょう。契約成立ですね」
この後、譲渡関係の書類などを書き、正式にプリンは、俺のものになった。
プリンの顔をちょくちょく伺っていたが、全くビクともせずに話が終わるのを見守っていた。
自分の商談が目の前で行われているのに、こんなに平然としていられるものなのか。
普段のプリンを知っている分、今のプリンは何かが違う。
それだけは、分かった。
いつもなら、プリンの方向を見て目が合うと笑ってくれる。
それが、全くないのだ。
寂しいと感じてしまった。
今までのプリンに戻ってくれるだろうか。
本能的に普段のプリンを求めてしまっているんだろう。
部屋に帰ったら話を聞いてみよう。
こうして商談は幕を閉じた
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