リーヴァ様が記憶喪失らしい

バースとアリザの会議そして、リーヴァとプリンが話していると同じ頃。


今、この家に仕えているほとんどのメイド・執事

つまり、使用人が集まっていた。


この場所は、バース様の屋敷の端にある私たち使用人に与えられた居住スペースであり、お給仕の休憩などの時間に過ごすスペースだ。



今ここの場所にプリンちゃんを除く、その他全員の使用人の姿があった。


私は、主にアリザ様に仕えている、メイドのリンだ。

あくまで、主にだ。

バース様やリーヴァ様に仕えることもあるのだ。



しかし、私は正直バース様やリーヴァ様が苦手だった。


特に、リーヴァ様だ。

私達使用人にトニカク厳しかった。

口を開くたび文句ばかりだ。



ただ、さっきリーヴァ様が記憶喪失になったという噂が流れてきたのだ。


その噂がどんどん大きくなり、今使用人が集合し情報交換が行われようとしていた。



幸い、主人様の方々とリーヴァ様を担当しているプリンちゃんはここにはいない。

正直な意見がいい合えるって訳だ。


使用人代表で執事の50歳くらいのおじさんが話始めた。


正直、私はこのおじさんの事をほとんど知らない。名前さえ覚えてない。

覚えてるのは、代表って事だけだ。


「この中にリーヴァ様の噂の詳細を知っているモノはいるか?

ここにプリンがいれば、分かるかもしれんが………正直、俺はあいつを信頼していない」


代表とプリンちゃんの間で何かあっただろうか。



言い終わると、あちらこちらでザワザワし始めたが、一人手を挙げるた人がいた。


「部屋の外から聞こえてきたのですが、本当みたいですよ。アリザ様も信じていらしゃってました。

そして、人格そのものも変わったみです」


それを聞いて、この部屋がよりザワザワし出した。


本当だったら、全員にとって喜ばしいことだった。

使用人の扱いが最悪だった。リーヴァ様だから、これ以上悪くなりようがなかった。


手を挙げた使用人が話し終えたのを見て、代表は話し始めた。


「どうやら、本当みたいだな………ちょうどいいタイミングだったな」


この場にいる全員の頭にはてなが浮かぶ。


「今、リーヴァ様の担当をしているのはプリンだけだ。

だから、バース様からは、もう一人使用人を付けるようにと少し前に言われていた。誰かやってくれないか?無論そいつの持っている仕事は引き継ぐから問題ない」





だが、誰一人いい顔をしなかった。

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