黒い粒
おしゃんしゃい
焦げ?
当時小学生であった自分。
ありがちではあるが、好きな食べ物の上位には唐揚げが上位に食い込んでいた。しかし、ある日の晩ごはん以来暫くは唐揚げ恐怖症になったのだ……
【暫く】ということで、今では食べているし、トラウマ気味ではあるが、未遂で終わったこともあり、大好きパワーが上回ったのである。
唐揚げって鶏肉に衣となる生地をまとわせ、カリッとサクッとジュワッとさせるわけですが、その性質上生地がダマになることもあるし、黒く焦げて粒になることもあります。通常は食べたところで特に問題はありません。
また、唐揚げの場合骨付きと骨なしがあり、骨付きの場合は手羽元や手羽先があります。
手羽元だとチューリップは、見た目もよく食べやすく好きです。
あの時の唐揚げは、チューリップではなく普通の手羽元でした。手羽元の特徴として、血が多少内部に残っていたり、それが焦げの元になったりしやすいのです。つまり、唐揚げとしては焦げた黒い粒が存在する事は、ありふれた現象であり疑いを持つ対象から外れていたと言う事。
さて、長々と説明して参りましたが、何が起きたのでしょうか?
昨今昆虫食が見直され、コオロギさんとかメジャーですし、昔からイナゴさんとか食べられておりますが、どれもこれも食べる事を前提としており、ゴキブリでさえ食用としている地域もあります。
しかし、しかしです……【ハエ】は腐ったアレコレを好み【糞】にもたかるアレは、食用ではなく不衛生極まりなく、見た目的にも精神的にも受け入れ難い存在であります。
もうわかりますよね?
鶏肉に衣をまとわせ揚げる直前にヤツは衣に止まり、その粘着性が故に飛び立つことはできず、運悪く母もそれを見落として、メニュー的にも【黒い粒】はよくある事としてそのまま出てきたのです。
この間飲み屋で問題になっていましたが、白菜についてた大量の虫が煮込まれてでてきたやつ……私の実家でもありました。母は視力に問題が有り、時々そういう事が起きます。
そんな事もあるのでこの時も何気なく黒い粒が気になり、ジーッと見つめていたのです。明らかに粒が大きく、【羽】があるのです……意外かもしれませんが、羽が識別できる状態でカラッと仕上がっているのです。揚げられてからではありません。唐揚げは出来たての熱さが尋常ではありませんが、後から熱でやられたならば、生地にめり込みはしないでしょう……
何度も確認し、間違いではないと確信したとき私は悲鳴をあげていました……まるで乙女のように。
その日の唐揚げ全て口に出来ず、それから暫くは唐揚げを見るのも怖く、年単位で避けていました。
口にしなかったのが幸いで、もし……口に入れて違和感に気がつき、吐き出して事実に気がついたら一生唐揚げ食べれなくなっていたかもしれません。
人によっては大袈裟すぎない?と思われるかもしれませんが、私にとってはこれ以上ない恐怖体験だったのであります。
まあそれだけの話なんですけどね?
最後までお付き合いいただきありがとうございます。
黒い粒 おしゃんしゃい @urawaza
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