第6話
「私は! 赤いきつねと緑のたぬきでここまで大きくなりました。こんなに美味しくてロングセラーになった商品を、雑に扱わないでください。会社が創り上げたあの赤いきつね達を、部長の一存で好き勝手にされたら困ります」
部長は最後の一口を頬張り、弁当の蓋を閉める。缶コーヒーを軽く振ると、スカッとプルタブのいい音がした。
「川原。お前何を勘違いしてるんだ。今回の件は社長が言い出したことだ。俺が好き勝手にやってる訳じゃないぞ」
「社長が? 社長自ら赤いきつねと緑のたぬきを裏切ろうとしてるなんて」
「裏切る?」
ナツメは握り拳をつくり、怒りのマグマをギュッと溜め込んだ。
ーーこの怒り、どうしてくれよう。新聞社にリークして問題を大きくしたら、社長はすぐ戻ってくるだろうか。でもそんなことしたらあの子達は、社長の裏切りを知ってしまう。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます