第9話 時の狭間 時空の空間での騒ぎ、異変 1

そして こちらは 闇の空間 永遠の時間の世界


時の狭間ではあちらこちらで異変が起こっていた


その時の時間 その時代の場所では 

あるはずのない災害や異変が多発していた!


時空も歪みや亀裂が入り・・大変な事になっていた・・



その時の時間 その時代の場所では 

あるはずのない災害や異変が多発していた!


時空も歪みや亀裂が入り・・大変な事になっていた


「レグルス!」青い顔をした時の番人バステイルが呼びかえる


同じく時の番人の銀色の髪の女ケンタウロスのレグルスは 


呼ばれて振りかえる・・人間と馬のキメラ・・伝説の種族

レグルス


彼女は流れる美しい銀の髪を長くのばして 上の一部を小さな金の髪飾りで

止めている 整った美しいきりりととした面差し 前髪は少し長め

 

上半身の人間の身体には 胸元だけの服 その上に胸の銀色の文様が入りの

胸のみの鎧 


下半身は白い馬 飾りに複数の青いサファイアと金の飾り入りの

長くネックレスのような物を巻いている そのネックレスの左側には

鞘留めと剣


こげ茶色の鞘に納められた 細長い剣 鞘は使い込まれ 小さな傷も多数ある


バステイルは 14歳程の少女の姿 前髪は眉のあたり揃えられて


髪は淡い色 

大きな瞳の廻りには 古代エジプト人がしていたようなアイシャドウ


耳は猫耳 薄い茶色 片耳にだけに 小さな金の輪のピアス・・


肩より少し長い髪は 毛先を複数の小さい金の細長い飾り玉で全て留めている

服は 白い古代エジプトの服装 胸元下で文様の入った金の輪をベルト代わりに

留めている


長さは足元と近くまである

足首には縦長の金の大きな金の輪


同じく文様が入り 上下の先には それぞれ細長いふくらみがある

胸元には古代のファラオ達がしていたような 大きな首飾り 


金や宝石がびっしりと埋め込まれて 首の半分から長く胸元近くまである

ラピスラズリやトルコ石・・ルビーにサファイア・・黄金色に透き通る


宝石も・・エメラルドも・・

靴はサンダル・・服に隠れて見えないが太ももの上近くまで 

サンダルの細長い革の紐


編む込むように左右それぞれ斜めに数回

巻かれて 結ばれている


「そっちの方は・・?」


「何とか 時空の歪みと亀裂は止めたが・・まだ不安定だ」


「他の時の番人達も頑張っている・・忘れ去られた神々さえも」


「美しい様々な場所・・

永遠の安息の眠りの時間の中の・・いにしえの古代の魔法の王達も」


「数人程 許可を取り 叩き起こした 彼らもその絶大な魔法の力で

起こる事のない大災害や時空の歪みを封じたり・・止めたりしている」


「あの時の魔法のオルゴールを創りだしたケンタウロスの賢者


ケイロン様もたたき起こされて寝とぼけつつも頑張っている


双子の兄の偉大な魔法使いであるキロン様もこちらも眠そうだ


あの魔法画の老人の竜人も

他の竜人はないが・・

彼は母親が黒の貴族で例外的に魔力がある

だから・・魔法画を創り上げた・・」


苦笑するレグルス


「先程・・手が足らずに とうとう また 治癒が必要な魔法の王の一人

風の女王カーリア様も

水の女王エウフェラウス様も・・とうとう起こされましたレグルス」バステイル


「間違えて歴史の中で 起こるはずの大災害も止めかけたりは・・したが・・

それは教えてやめさせた」レグルス


「あいにく丁度・・心優しい魔法の水の王だったので


目の前の大災害や多くの人々の最後の絶叫に 

・・止める事が・・助ける事が出来るのに見殺しにする」


「目を赤くして・・ずっと黙って泣いていたが

本当に可哀そうな事をした・・」レグルス


「彼らは私達 時の番人や神々と違い 全ての歴史は よく知らないので

仕方ありませんね・・」ため息をつくバステイル


「だが 魔法の王達のその魔力は神々と匹敵する程の絶大

 肉体が滅び 天界に来て 更に魔力が増大した」

 レグルス


「今回は非常事態・・」レグルス


「それと大災害の異変も1つ止めたが・・」レグルス


「一つは無事に大災害が起こる前に止めました その異変は止まりましたが

2つの異変・・あの時間に起こるはずのない大地震と別の時間の大噴火」


「もう時が固定しました・・歴史が変わり・・手遅れです」


「例外的に 本来ならば時の法に触れますが」バステイル


「数十人だけ奇跡的に助ける事が決定しました」


「彼らを失うと・・その子孫が消えるのです」


「国を変える程の偉人に・・大いなる影響を世界や歴史に与える者が

消えてしまうから」バステイル


「その例外的な者達は救われるが・・家族や友人は失う 一人残される

本来なら・・そんな事はなかったのに・・可哀そうだな」レグルス


「で・・そろそろ許可は下りたろう

私も・・安息の時間に入る前に 会いたい・・叩き起こす・・ふふ」

微笑むレグルス


「安息の時間に私が入れば・・

もう私の場合は 二度と目覚めないかもしれない

一度でいい・・会いたい」レグルス


「人の言う事は絶対きかない頑固者・・口の悪い・・悪いが口達者な生意気な奴

料理の腕前は超天才的・・


奴に何度、馬女と呼ばれた事か

どうしょうもない・・ひねた曲がった性格・・信じられない無茶ばかりする


女子供には基本・激甘 年寄りには猫かぶり

案外世話好き 仕切りたがる


とても優しい処も


あの時に・・新たな黄金の力が覚醒して時の法や自身が大傷を負う

あの事件を起こした時


冷静だったが 傷口から血を流しながら恨み事を言われて

泣いた姿を見た時は正直・・驚いた


高飛車でいつも勝気で強気だったのに


とんでもない鬼瓦の目付きのくせに・・何故かよくモテる


欲しい獲物は絶対逃さない どんな犠牲も代償も惜しまない

モテモテ運のその分親運に恵まれずに本来の子供時代は超最悪


おかげでモテ運の一つも超最悪・・大災難の一つ・・記憶がフッ飛んだのが幸いだ


悪運と逆転運は大いにしっかりあった

当然か・・大いなる運命があったから


あの力は絶大・・歴代の 黄金の竜の王に匹敵する力に


本来の大いなる赤い焔の力の持ち主


ほぼ最終世代の結果だ 密かに神達が命じた・・無意識化に刻んだ


・・魔力を高める為に繰り返された先祖の兄妹婚の・・

結果に生まれた


半分人族とはいえ より濃い強大な魔力・・赤い火焔の力


地獄の8年の煉獄を 

繰り返し6度も・・体験して


いや 本来の時間も入れて7度も耐え抜き


黄昏の黄金の時間の中で

雪花の花びらが散りゆく中・・自分の時を無事に終えた


歴代の魔法の王の一人・・若くして死んでしまったが


歴代の魔法の王達が・・神達から与えた役目をついに果たした


2千年の戦乱の時代を終わらせた英雄の一人 穢れた神を殺した本人


黒の王・火竜王(サラマンデイア)・最後の竜の王アーシュラン・・」


「それと・・・最後の白の宗主 2つの王国の片腕の王リアン殿

水の女王アルテイシア姫も・・」


「彼の息子・・最後の火竜王

同じ名のアーシュラン 天空の青と焔の瞳のオッドアイの瞳の持ち主


ああ・・そうだった・・この大騒ぎで 忘れていた・・彼はさっき 見かけた

別の時の番人が叩き起こしていた・・時の狭間の修復だ」レグルス


「面差しは父親によく似ている

だが料理の天才だった父親と違い 料理の腕は最悪で

その上 趣味だった・・」


「料理の腕前は 母親譲り・・彼女の料理はあの無敵の竜人セルトさえ倒した」


「リアン殿やアルテイシア姫にテインタル王女も

何度も自爆覚悟で食べていた


案の定・・結果は最悪だった


しかも・・癒しの魔法も薬も何故か効かない・・自然治癒を待つしかない


わん子も死ぬまで被害にあっていた・・泣いていたな

よく倒れていた・・」


「・・料理の腕と最悪の味音痴 

しかも母親もだが 息子も その自分達の料理を美味そうに食べていた


母親のエルトニア姫も 彼も腹は下さなかった・・あれは奇跡だ


母親とも一緒に料理を作る事も・・恐怖のダブル・パンチ・・ふふふ

息子の最後の火竜王アーシュランの手料理で また同じ目にあった」


「・・アルテイシアの父リュース公リジャイアヌスは頭がいい 


一口食べるなり 舌の超えた彼は

そっと吐きだし 料理は食べたふりして魔法で消し去った


アルテイシア姫とリアン殿は その点 不器用だし・・正直者


嬉しそうにエルトニア姫や息子がじっーと見ている


無理だった・・吐きだすのも 魔法で消し去るのも」


しみじみと言うレグルス 顔に引きつり笑み だが確かに他人事


「義理の祖父のリュース公だけには食べさせまいと

命がけでリアン殿や娘のアルテイシア姫が彼の分を食べていた」


他人事なので ついに吹き出し ケラケラと笑うレグルス


「息子には アーシュ殿は 息子が幼い子供の時に・・」 


「数か月、寝たきりの状態で一緒に過ごしただけで大人の姿は見てない

会ったら 大喜びするだろう」

「彼は 他の魔法の王達と違い 

まだ 安息の時間の場所から 一度も目覚めた事がない」


「もちろん魔法の傷があるから 他の王同様に眠っている間も


治癒の治療や魔法もしているが・・父王アージェント殿の片眼も癒せない

ほぼ全て魔法の王達 癒しが必要なのは


アーシュ殿が殺したあの魔法使い・・追放された神のせい


中にはあのリュース公リジャイアヌス様の

若くして暗殺されて亡くなった兄シオン殿

多くの白の宗主達や黒の王族に近い黒の貴族も」レグルス


「まあ あの呪いの魔法の水晶の傷のせいか・・テインタル王女も同じだ」


「更には 彼女の場合は あの呪い入れ墨が消えない・・不思議な事に・・」

「ここは全てを癒す場所なのに・・リアン殿の腕も同様だ」


「エルトニア姫の腕の火傷・・呪いの焼き印・・彼の父王の片眼」


「恐らく・・未来の時代で 

その時代 彼らの伝記のイメージが強いせいかもな」


「魔法の呪文にも 彼らの名がよく織り込まれている」


「あるいは 彼女の入れ墨は追放された神の呪いの魔法だから


それに・・

エイルの呪いの焼き印は あの神の呪いの魔法の文様を真似た物だから」

レグルス



「アーシュ様の事が特にお気に入りですね・・レグルス

あの御方に言いたい放題ですねえ・・英雄の一人なのに


時の神殿までくれたのに・・

まったく・・ふふっ・・」


「・・一度 テインタル王女の呪いの入れ墨と

エルトニア姫の焼き印は」 


「神の一人に一度 相談した方がよいでしょう

癒しの力に秀でた方に」


「アーシュ様の傷も 父王アージェント様の片眼も リアン様の右腕は

本人から 必要ないあきらめていますと言われました」バステイル


「そうだな アーシュ殿の事は 

2度目 自然に覚めた エルトニア姫が心配していた」


「彼女はすぐに眠くなって 彼の隣で 今は寝ているが」


「アルテイシア姫たちは

数十回以上 ちょっとした時空の歪みが起こる度に気の毒に叩き起こされている」

やれやれという表情のレグルス


「で・・どうする アーシュ殿を起こすか?」微笑むレグルス


「レグルス 実は 他の時の番人アルタイルとスピカから 知らせがあり

この異変の原因がわかりました・・」硬い表情のバステイル


「なんだと!」顔色を返るレグルス

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