第41話

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クルージングをしていた王様一行は予定通りにオールドタヒチを見てまわりセレブマリーナに帰ってきた。早速、すずはユリが描いたスケッチを持ってユニシロの秀吉の所にやってきた。


秀吉[久しぶりだな。犬がデザインをしたスケッチを持ってきたとか。筆頭の犬服デザイナーも来ているが、取り合えず座って話を聞こうか。]


秀吉とデザイナーはユリの作品を見て一様に驚愕の表情をしている。

秀吉[これが本当に犬が描いたものだったらたいへんなことになる。すぐに選任契約をしようか。うちの中堅デザイナーと同じ金額を出し、勤務時間は縛らない。こんなことでどうだ。]


[すみませんがその条件では他に行きますよ。筆頭デザイナーの3倍だったら受けます。]本人の前で面と向かって言われたので、デザイナーは顔が朱に染まっている。


秀吉[ふ~む。会社だからそれだけの貢献度が見込まれればもちろんその金を払う。わかった。とりあえずは3か月間をお試し期間ということで、その期間を過ぎたら本採用でどうかな。][わかりました。ただ試行期間の間は月5点だけのデザインにしてもらいます。]

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少し考えていたが、[まあ、5点すべて当たれば簡単に元は取れる。勤務は好きにやってくれ、5点を提出すればそれでいい。それで決まりだ。][それでは犬と相談をして決めます。明日また来ますので、よろしくお願いします。]早速帰って、事の顛末を王様に話した。


[筆頭デザイナーの3倍の給料にお試し期間3か月で月5点のスケッチか、それくらいの実力は充分にあるよ。秀吉さんはさすがに社長だわな、よくぞ見抜いたぞ。]すず[ユリちゃん今聞いていた条件だけど。これでやりますか。]ワンワンワン。[わかった、OKって言ってるわね。]


サスケ[すげ~じゃん。ユリちゃん、デザイナーとしてトップ張れるよ。でも主婦というか、ゴン太のヘルプが主任務だからほどほどにしないとな。][スケッチ5枚なんて、ユリちゃんはすぐに描いちゃうわよ。ほっほっほっ。][そのくらいなら全く問題ない。好きにやってください。]

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米国のサムライ弁護士事務所より連絡があり議員立法がとおり発令されたので、詳細を詰め合意をしたということだ。今まで政府から島民に出ていた援助金はそのまま変わらず、15兆円は代理の弁護士口座に入金されることが決まった。


王様には弁護士費用を除いた金額が振り込まれるが、その中から島民300世帯に月10万円を20年間援助することにした。20年間で74億円だから15兆円からの経費としては微々たるものである。


世界中のマスコミに知れ渡り、向かいのビルの会議室で記者会見をすることになった。

記者[除染をすることに決まりましたが、いつどのように実行されますか。][はい。東海村で行った除染式のように現地に祭壇を設けて、王宮ファミリーが主体で臨みますが、1週間後です。]

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[その式の終了後にチェックポイントで除染が除染ができたかどうかを確認されますが、どのように思われていますか。][東海村と同じです。あの時も大金をいただくわけですからそのようなチェックを受けました。当然のことだと思いますよ。]


記者[式は数分で終わってしまい。それで15兆円です。世界中の普通の感覚ですと、もっと安価でいいのではないかと思われるのが一般的だと思います。いかがですか。]


[なるほど。15兆円はとんでもない大金ですのでそのように思われる気持ちはわかります。しかし論理的にこの件について話しますと、適性除染料は40兆円以上だと思います。なぜならこちらで調査をした結果では汚染度で東海村の20倍で範囲も数倍以上だと結果が出ています。


単純に東海村と同じ範囲でしたら汚染度が20倍ですから40兆円以上をいただいてもいい金額です。ですがあまりにも大事になってしまいますので、この金額に設定しました。まず絵に描いた餅にならないように現実的に除染が可能になるようにしましたので、よろしくご理解のほどお願いします。]司会[以上で会見を終了します。]

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サスケ[またクルーザーで行きますか。][そうだね。クルーザーで飛んじゃえばいいわけだ。祭壇は決められた場所に東海村と同じものを出しちゃえばいいさ。]


[そんな使いまわしをして罰が当たりませんか。冗談ですけど。衣装は同じものを揃えてありますし、お金はすでに弁護士事務所に入っていますので安心ですね。][ちゃんと除染ができれば問題ない。ゴンちゃん大丈夫ね。]ワンワンワン。


セレブマリーナから志野やチヨを加えた東海村と同じメンバーを乗せたクルーザーが出航して、2・3分走った後に目的地の小島に到着した。住民より多い1,000ぐらいが集合している。除染式の終了後にチェックポイント100か所の結果を踏んまえての記者会見が設定されているが、失敗すればいい恥さらしになってしまう。


すでにサスケが気を送り東海村で使った祭壇と同じものが設営されている。前回と同じくサスケやチヨを含めたメンバーが祭壇の前に横一列に並んで深くお辞儀をした。

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祭壇を登りまた深く一礼をして王様だけが進み出て、また深く一礼をした後に全員で観世音菩薩の真言オム マニ ぺ メ フ ムを8回唱えた後に王様が”ムッ”と鋭い気声を発した。所定の位置に戻り全員が下段をした後に祭壇正面に向き直り、再び一礼をして終了である。


すぐに除染100ポイントがチェックされ結果が判明し、すべてOKサインが出て合格である。


記者会見が始まった。

記者[おめでとうございます。100か所のチェックポイントすべてで除染が確認できました。これは奇跡に近いんですがどのように思われますか。]


[私も良い結果が出てほっとしています。これは観世音菩薩からレンタルされている超能力でおこないました。観世音菩薩に感謝をしております。][そういえば王様は観世音教の門主というか代表でしたね。作陶家で国王という方に気を取られていました。]

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[はい。法王ですが実際は2人いる副法王に任せています。私の祖父が国を造りましたが、その仲間ですので頭が上がりません。はっはっはっ。][15兆円という高額な報酬が入るわけですが。]


[弁護士費用を払ってこの島の住民に各戸毎月10万円を20年間支払い援助をしますが72億円分ですか。経費を差し引いてもかなりの額が私の口座に入ってきますが、私は世界トップの長者ですのでこのお金に手を付ける必要は全くありません。国に何かあった場合に備えて全額をストックしておきます。][それではこの辺で会見を終了します。]


全員がクルーザーに戻り着替えた。サスケ[弁護士から予定額が入っております。][それならセレブマリーナに戻って予約している与兵衛寿司の寿司と料理でパーティーだ。]


マリーナでパーティーが始まったが、犬には骨付き猪肉が与えられた。[じゃあお疲れさん。乾杯。]すず[大仕事の後はお酒がおいしいです。][チヨちゃんに昴もたくさん食べなさい。][は~い。]

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サスケ[これで勲章は間違いないです。英国に仏国ですかね、日本は動きが遅いですから副首相にプッシュしてみますか。][こちらからの働きかけは必要ないが、いただけるものはありがたくいただく。それだけですよ。]


パリのブランド管理会社からシャネ〇の社長と筆頭デザイナーが辞職をしたとの連絡が入っきた。[その2人はここに来た奴らだろ。辞めたのは当然だな。これでむしろいい結果を残せるようになる。]


サスケ[株価も30分スタイルが定着して、以前の95パーセントに戻っています。セレブ地区4人のデザイナーも前よりも一層精力的に発表しているようです。株は大儲けで7兆円以上利益が出ています。][良く復活したな。みんなのおかげだ。]ユリがデザインをした犬服5点の売れ行きがすさまじく、世界的な流行になっていている。すずもしっかりと売り上げに対するマージン契約もしているので、かなりの額が入っているようだ。


すず[ほっほっほっ。これで私もこれでセレブの仲間入りですのよ。]サスケ[ちゃんとユリと折半だからな。][それはちゃんとわかっていますのよ。超能力犬を怒らせたらとんでもないことになってしまいますわ。ほっほっほっ。]


[今と同じ5点なら続けてもいいよ。それ以上は稼ぎ過ぎだ。][はい。そのようにします。]

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