第24話
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露四阿視察の3人はバイカル湖を3週間前に出発してモスクワ方面に向かい、現在地はちょうどモス化とバイカル湖の中程である。かなり大きな川の中流域で釣りをしながら3日目になっている。
すず[釣りは楽しいですね。ここはよく釣れます。]キュウリウオと呼ばれる刺身でも食べられる30cmぐらいの魚に、イトウにナマズのような大きなものが釣れているいる。夏なので鮭はいないが陸封型の小型の鮭のようなものはいて、あらいや塩焼きで食べているが、この魚はかなりうまくて評判が良い。また露四阿視察も長期にわたっているので食べられる野草も数種類覚え、天ぷらにして食べている。
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長[給料をいただいてこのような生活ができるのはとても素晴らしいです。]サスケ[ここで私達がどんなにタラタラしていても、たぶん苦情というか文句は何も言ってこないと思います。]
すず[私もそのように思います。王様はまだ表沙汰になっていませんが、世界の長者番付で大差の一位だと思いますよ。その大部分を私達は協力しています。それを十分にわかっていると思いますので。]
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すず[サスケさん置き竿が引いていますよ。][これは大物だな。手伝ってくれますか。]長[主みたいな大物ですね。石に引っかかったような感じですから、素早く動く魚ではありません。][大鯰ですわ。2mはありますよ。]3人がかりでやっと岸に引きずり引き上げた。
長[これはとても食べきれませんね。冷蔵庫が大きいのでブロックにして冷凍しておきます。後はこのへんの動物用にプレゼントです。]サスケ[今日はとっておきのテキーラでいきましょうか。歴史的にこの種類の最上酒とされているものです。ちょいと昔にさかのぼっていただいてきました。さて味わってみましょうか。]
すず[これはインパクトがありますね。庭に樽を5段重ねに並べて、そのままカンカン照りの中に置いておくというやつですか。][それはキューバのラム酒の作り方だけど、これの製法はわからないが200年前のものだ。]長[これは脱帽です。これはこれで最高峰のものだと思います。理屈抜きにうまいです。]
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今日は土曜日なので船橋駅の近くの裏店の惣菜店で子供7人が、仕込みの手伝いをしている。ジャガイモなどの皮むきの他にポテトサラダと、なんとタエだけが天ぷらも任されるようになった。天ぷらと言っても人参にゴボウそれに芋などの、いわゆる精進揚げといわれるものである。
ここまでに来るのも努力に努力を重ねた結果であり、店で自分たちが駄賃替わりにもらう分を揚げさせてもらったり、四人組の部屋で何度も練習をしてタエだけがおばちゃんから許可を取ることができたのである。ター坊[親分、天ぷら揚げるのうまくなりましたね。僕達はダメでしたけど一人だけでも合格したのは前進です。]
[まだ本当の天ぷらはまだだけども、竜田揚げだったらもうすぐやらせてくれるかもしれないわ。][竜田揚げは美味しいジョー。クジラの竜田揚げは大好きだジョー。]
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四人組[惣菜の種類をたくさん覚えていけば自分達の幕の内弁当ができますよ。][その通りよ。まずそこまで行くのが目標ね。あなたたちも自分の得意なのを持ちなさい。何にもできなければ置いてきぼりよ。]
料理修行の子供達7人がジャガイモの下拵えをしながら話し合っている。ター坊[北方四島の返還交渉が4・5年かかると思っていたけれど、もうすぐ調印ってサスケさんが言っていたな。][私もすずさんから聞いているわ。直接関税無しでお弁当や惣菜にレストランのものが通販できるようになるの。][え~っ、それはだめだジョー。ボク達より早いのはダメだジョー。]
[私達はお惣菜の勉強をしているので、それをちゃんと身につければいいのよ。基本ができていれば、少しぐらい立ち上がりが遅れてもいくらでも挽回ができるわ。後発組は先発組のやっていることを学んでからスタートができるので、不利ばかりではないのよ。]
四人組[そうですね。ここは焦らずに今やっていることを続けることです。][ものには順序があるのよ。あと基本を3年マスターしてそれから明日香の食材を活かした料理などの応用になるわ。わかった?][ボクはおいしいおまんじゅうを作るジョー。工夫を凝らした惣菜入りのよっちゃんまんじゅうだジョー。][それは面白いけどまだ先ね。とにかくお惣菜の勉強をきちっとやるの。いい!][おまんじゅうは後にするジョー。]
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