第23話

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王宮がある門前町にいて、毎日合気武道の道場で痛めつけられている子供たちは本身であるがこちらは分身である。


料理修行の子供7人は美味い駅弁を作るにはお惣菜の勉強が必要だということを悟り、最近は東京駅で駅弁の勉強をするのでなく、船橋駅近くの路地裏にある気のいいおばちゃんがやっている総菜屋で、料理を仕込むのを手伝って勉強している。駄賃として数種類の惣菜を分けてもらってそのうちの1品を、自分達で再現して知識をストックしている。


よくできたと思ったときには王室のチーフや王様に評価をしてもらっているが、今日は肉じゃがである。[チーフ、私達で肉じゃがを作ったんですけど、味を見ていただけますか。][肉じゃがは易しいようで難しいんだよな。なかなかよくできていると思うよ。][ありがとうございます。][王様、これを作ったんですけど評価をしていただけますか。]


[ふ~む、みためはいいぞ。ジャガイモの隅がちょうどよく崩れているのがいいね。醤油と砂糖にみりんがうまく調和されている。手頃な材料で美味しく作るというのはとても重要で弁当の基本だね。このまましっかりと学んでいきなさい。][はい、ありがとうございます。]


4人組が入っている部屋で7人が集まり、チーフと王様の感想を聞いたことを伝え最後にみんなで食べて勉強会を終えた。

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サスケ一行は州都ハバロフスクを経て現在地はバイカル湖である。水位と環境を300年前に戻したのでより魅力的になった。エアトレインの駅もあり観光客が増えている。この湖の周辺に王室系のホテルは2軒あり800室の大型リゾートホテルと、中堅ホテルとカプセルホテルが一緒になったエコノミーホテルがある。


ウラジオストック視察を終了後にいったん戻る必要がなくなり旅を続けることにした。キャンピングカーも故障が無く快調である。長[この豪華ホテルも7,000円で折り合いがついたんですか。]


[王様がウラジオストックのホテルと同じように依頼して合意しているので大丈夫だよ。85,000円の部屋を2食付きで7,000円にしてもらって、セルフでノーチップそれにもちろん酒の持ち込みもOKだな。]部屋に入るとこちらも4部屋で4バス付きで、眺望は湖がよく見えて景観もとても良い。すず[うゎ~、最高です。こんな立派な部屋は仕事以外に利用ができないですね。

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長[そろそろお待ちかねの、夕食にでも行きますか。][私、着替えてきますので先に行っていてください。]長[湖を見ながらの食事はリッチな感じがします。][そうですね。とても7,000円で泊まっているとは思えません。][お待たせしました。今日はシャンパンですか。]


長[またまた今日も似合っていますよ。福丸デパートですか。]すず[そうです。オーナー割引と同じ25パーセント引きです。]サスケ[ちゃんと手を回しているんですね。]すず[それよりも豪華ホテルに泊まるのはここでおしまいですか。]


サスケ[クライマックスはまだ先ですよ。モスクワで一泊最高で35万円で5つ星の宮殿ホテルを建てたのでそこに泊まります。一泊一人2食付きで15万円の部屋を1万5千円にしてくれて、王様の決済もおりています。なんでもベルサイユ宮殿の1.8倍の豪華さにしてあるということなので、世界でも豪華さだけはトップクラスということになるな。]


すず[貧弱な身なりで大丈夫ですか。][お姫様に変身するチャンスを王様がくれたぞ。][なんですかそれ。][露四阿国内の文化人の大物が集まるパーティーがあるので、国王の代わりとして参加しなさいということで、三人ともレンタルで正装できることになっているよ。]


すず[それはすごいですね。有名なピアニストにバイオリニストそれにバレー界などの大物が来るということよね。そこに国王の代理というのは気持ちがいいですわ。]長[はっはっはっ、いきなり大物扱いになっちゃいますよ。]








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