第17話

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いつもの子供3人組がホテル江戸時雨に向かって歩いている。[親分、いつもただメシ食べちゃっていいんですかね。][ただメシはうまいジョー。][興味をもっていろんな人が寄ってくるので、それだけで大成功よ。それにヒーリングドッグのボランティアもやっていると言ったら、みんなグッドジョブって言って称賛しているわよね、だからただメシではないでしょう。]


今日の社食はチキンライスである。[ボクはチキンライスが大好きなんですよ。][あれ~、これはチキンライスじゃあないジョー。]チキンの替わりに豚肉が入っていた。


[まかないだからあり合せで作っているの。だから文句は言わないこと。][ウソは泥棒の始まりだジョー。]タエはぐずっているよっちゃんを連れて、エントランスホールに向かっていった。ちょうどそこに王様と志野が様子を見にとおりがかった。

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[タエちゃんどうしたのかな。よっちゃんがなんかふくれっつらしてるけど。]タエは理由を話した。[はっはっはっ。従業員用のメニューだから、ありあわせの材料で作ったんだろ。ちょうど私たちも昼飯前だから一緒に何か食べよう。何がいいかな。][ボクは天然鰻のうな丼がいいジョー。][よっちゃん!普通のにしなさい!。]ター坊、[ここの手打ちそばも美味しそうですよ。]


[うな丼でいいぞ。日本と比べると5分の1だしな。]明日香国は水産資源が豊富で養殖は海苔しかやっていないのである。[うわ~ぃ、うな丼だジョー。]


ホテル内に地元で評判の鰻屋を入れてあるので向かっていると、フロント近辺で叫び声が上がった。85歳ぐらいの老人が倒れていた。老婦人と従者が慌てている様子である。すかさず王様一行が来て、王様と志野が状態を確認した。緊急用にストレッチャーが用意されているので載せて部屋に一緒に行った。

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腹に手を当て詳細を確認すると膵臓に腫瘍ができていることが分かった。それもかなり深刻なようだ。[失礼ですが余命3か月ぐらいだと思いますが、いかがですか。][その為に超能力治療ができる門前病院に明日、行く予定でした。]


[そうでしたか。私は医者でこちらも私のかないですが医者です。緊急ですので私が治療いたします。][ゴンちゃん大丈夫だな。]ワンワンワン。腹に手を当て呼吸をはかり、鋭く短い気声を発した。[大丈夫ですよ。これで治りました。明日病院に行かれても、問題ないと言われるはずです。私はこういうものです。]と王様の名刺を差し出した。


[これはこれは、王様ですか。自ら治療をしていただきまして、ありがたいことです。私はご存じのバフェットの兄です。私も弟同様に日本文化が趣味なので、このホテルの評判がたいへんにいいので治療がてらに宿泊しました。おかげさまで良くなったようです。どのようなお礼をしたらよろしいのでしょうか。]

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[いえいえ弟様から莫大な注文をいただいていますので、全くお礼の必要はございません。][私は商社の会長をやっていますが、息子が社長でほとんどを任せています。なにか提携できる話があれば積極的に参加させていただきたいので、どうぞよろしくお願いします。]と名刺を差し出した。


[こちらこそよろしくお願いします。]子供たちが腹を空かせて待っているので、早めに切り上げて鰻屋に入っていった。[親分いい匂いですね。][お腹が鳴るジョー。][うな重の特上でいいかな。][うゎ~ぃ、うな重のほうがうな丼よりたくさん鰻が入っているジョー。]


うな重が出てくると会話もなしに一心不乱に食べている。[親分、この甘辛いタレがちょうどいいですね。][そうね。この店は参道の裏に本店があるけど、同じぐらいに美味しいわね。][みんな満足したようでよかった。美味しいものを食べるのにとても関心が強いようだけども、ここのホテルに合うような食べ物屋さんってなんかあるかな。]

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[ボク橋のそばの酒まんが美味しかったジョー。]タエ、[そうですねオープンラウンジでお茶を飲めるんですから、日本的な酒まんも喜ばれるかもしれません。]ター坊、[このホテルは和風がテーマですので、酒まんを食べるところを江戸様式にして、江戸雑貨を並べてみるのも面白いと思います。]ワンワンワン。


[おや、ゴン太にユリも大賛成のようだな。]志野、[いいアイデアだと思いますわ。][そうか、早速サスケに言ってまんじゅう屋のおやじを、分身させて連れてくるかな。][うゎ~い橋のそばの酒まんが食べられるジョー。]


[よっちゃんの橋のそばの酒まんがうまいというとこから話が始まって、良い具合にまとまった。私たちは帰るけどもラウンジでジュースでも飲んでいきなさい。][ジュースも飲むジョー。]

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]王宮で王様にサスケとすずが打ち合わせをしている。[たくさん買ってくれている投資家のバフェットの兄が、ホテル江戸時雨に泊まっている。名刺をもらったのでどういう人なのかを調べてくれるかな。商社なので提携できることもあるかもしれないのだ。]


[わかりました。商社ならこれからお互いに必要なことがいっぱいありそうですよ。][それから紀文のところの橋のところのまんじゅう屋を分身させて、ホテルのラウンジのお茶をやっているところでやらせてみたいので、呼んできてくれるかな。すずさんは来てからの面倒を見てやってくれますか。]


[わかりました。美味しいですから人気が出ると思います。][まんじゅうを売るとともに変な奴がいたら、すぐに知らせるようにしたらいいと思いますよ。]

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よっちゃんがブータレている。酒まんをジュースと一緒に毎日食べてもOKがでたのに、タエが1週間に1回でいいと断ってしまったからである。[毎日おまんじゅうを食べたいジョー。]


[1週間に1回でいいのよ。毎日だったら他に行けないでしょ。福丸デパートだって行かなくちゃあいけないのよ。][スケジュール管理をしっかりやればいいジョー。][なまいってんじゃあないのよ。そんなことできないでしょ。][酒まん食べるとやる気が出るジョー。]今日はヒーリングドッグのボランティアね。

待っている人がいるんだから、ちゃんと行かなければいけないの。]


[酒まん・酒まん・酒まん、頭の中は酒まんでいっぱいだジョー。][いつまでそんなこと言っているの、そんなことばかり言ってるとダイにケツを噛まれるわよ。][それはだめだジョー。ケツは痛いジョー。]

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