第7話

45

昴とチヨちゃんがガテマラのコーヒーー農園の友達に会いに行きたいというので行くことにした。ガテマラには大規コーヒー農園が3か所あったがすべて王様が買収している。そのうちの一番羽振りが良くてリーダー格ので建物も一番立派だったところを手を入れて別宅にしている。


ガテマラのコーヒー農園に到着した。

ここ用に2台の車を用意してあるので自由にどこにでも乗っていけるし、プールで泳いでもいい。子供たちは早速にビルマの家族に会いに行っている。王様とすずはプールサイドで軽食を食べながら寝っ転がっている。


サスケと長兵衛は車でどこかに出かけたようだ。準明日香国のような所なので全く気軽である。そのうちにビルマの子供3人とともにチヨと昴も泳ぎに来た。犬4匹も昴とチヨが洗ってやり気持ちよさそうに泳いでいる。さすがに大金持ちのプールである。センス良くできている。


サスケは旧都アンティグアに来ていた。現在はスペイン語学校が多いことで有名である。以前に日本人宿のドミトリーに泊まって3か月滞在して語学学校に通っていたのである。その日本人宿に顔を出した。


サスケ[親父さんこんにちは。]親父[あれ~、誰かと思ったらサスケさんじゃあないですか。泊まりですか。]サスケ[はっはっはっ。もうバックパッカーは卒業で、今はこんな仕事をしています。]と名刺を差し出した。親父[王様の第一秘書なんて、これは本物かい。][本物ですよ。]


親父[10年前はスペイン語学校に通っていたけれど覚えが悪くて全くダメだったでしょう。それに高卒だって言っていたよね。そんなの信じられんわ。]サスケ[奥様はフルーツタルトを作るのが上手でしたよね。王様はご存じのようにここの3コーヒー園のオーナーですので、コーヒーとタルトの店の経営をお願いしたらどうですか。奥さんのタルトでしたら気に入りますよ。王様にまだ話してませんが、タルトを持参して奥様と来ませんか。迎えに来ますよ。]


親父[それが本当だったら願ってもないことだ。]奥さんも話を聞いていて頷いている。サスケ[それでゃ3時間後に迎えに来ますんで、タルトを作っておいてくれますか。]

[わかった。よろしくお願いするよ。]王様に話したら面白がって連れてこいということだったので迎えに行った。

46

[親父さん出来ていますか。][今、行くよ。][王様が会うと言っていますので行きましょう。]

[こんな格好でいいのか。][何でも構いませんよ。]


[どうもいらっしゃい。おかけになってください。][サスケさんが10年前にお世話になったと伺いました。][そうなんですよ。こんなに出世するとは全く思いませんでした。][早速ですがタルトを見せていただけますか。]


[志野さんにすずさんも味見をしてください。]すず[これはおいしいですよ。]志野[いけますね。気に入りました。][私もおいしいと思いますが、サスケさんが言うにはコーヒーを併せた店はどうかということですね。


私はコーヒーチェーンを経営していまして、400店ぐらいになりますかね。もちろんタルトも置いていますが、その会社の別会社というか子会社ということでやらせましょうか。奥さんが参加するということですか。]奥[主人は宿泊所の仕事がありますので。]

47

[わかりました。あとはすべてを経営コンサルタントがやりますんで。奥さんはタルトを作るだけの仕事です。最初の報酬はそれなりのものですが、働きや実績を見てアップをさせます。]2人の前に同じコーヒーが2カップずつ出てきた。[2カップのコーヒーは元々同じものですが少し操作をしまして味が違っています。飲んでいただけますか。]


2人[確かに片方がおいしくなっています。][これは注いでから超能力で味をアップしました。自分で持参したタルトを食べていただけますか。割って半分で結構ですよ。]2人[美味しくなっています。]


[このようなことは今までやったことが無かったのですが、うまくセッティングすれば面白いことになると思います。担当が伺いますので少しお待ちください。][サスケさん送って行ってください。]2人[それでは失礼します。]すず[ガテマラコーヒーの本場なので美味しいところがあってもいいですよ。]

48

[そうですね。大谷吉継大臣が分身でも過去から取り出したものでも品質に全く問題ないことを、世界5か国の主要食品研究所で問題なしのお墨付きをもらったので、世界中で大手を振って販売することができるので1・8倍のバージョンアップで分身して増量をしても全く問題はない。


それではサスケさん、帰ったらこの段取りをお願いします。][はい。コンサルタントを呼んでよく説明してからやらせます。]


夕食後は例によってビルマの家族を呼んで、ご主人のギターで奥さんとビルマの踊りを十分に堪能した。ビルマが踊っている時にあまりの見事さに見とれていたら、チヨに思いっきりモモをつねられて悲鳴を上げていたのは御愛嬌であった。3泊してゆっくりと身体を休めて夏見に戻ってきた。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る