第49話 宴の影で・・

祭りの宴は始まる


「今宵は心ゆくまま お楽しみあれ

一夜の宴だが、ささやかながら 土産も用意した・・。」

集まった 近隣の村人達が歓声をあげる


「王よ! この大きな贈り物に感謝いたします!」

「王様 有難う!」


氷の城で 村人達は 氷の乙女達と踊ったり

王の用意したご馳走を口に運び 至福の顔をほころばせる



そっと 小さな氷のユニコーンが 王の耳元でささやきかける


「!なんじゃと・・結界が崩れた?」厳しい表情を一瞬みせ


それから 村や町の民人の為に 再び 笑みを作る・・・。


「お楽しみあれ!諸君」

人々にそう声をかけた・・。


少女を人質に取られた 少年は命じられたまま

氷の宮殿の北にある結界石の一つを壊す


結界石は 女王や彼女の僕(しもべ)達は近づくことさえ出来ないからだ

普通の人間には壊す事が出来ない 結界石・・。


「おお、自由だ・・結界が緩んでおるわ たった一つの結界が壊れただけで 

バランスが崩れたわ  冬の王め かなり力が弱ってきておるわ

百年ぶりの外界じゃ・・おほほ」

女王は煌びやかな金の鎧と緋色のローブをまとう

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る