第28話 代価に与えられしは くちづけ一つ(日本戦国時代編)その3

追いついた峠の先で見たものは 修羅場が一つ

一行は山賊に襲われ 数人が殺され 残りは皆 捕らえられた


木陰に隠れて様子を伺う盗賊の一人が少女の顎に手をかけた

思わず飛び出しそうになるが、気持を抑え 様子を伺う

「これは高く売れそうだ  いや身代金を取るか  

これだけのお宝を持ってる連中だ  ほれ そこの山小屋に入れ」


盗賊達は一行を山小屋に押し込む

少年は見張りの目をかいくぐり 一行に話かけた


「無事か! 逃げるぞ!」「いえ、我々は怪我をしてます 」


「どうか この子と信長公へのこの大切な貢ぎ物を持ち先に逃げてください

そして助けに来て下さい

大事な人質ゆえに殺しはしません 」

「さあ 早く」

こっそり隠された貢ぎ物の剣を渡されて

うなづくと少女の手を取り逃げるが


しかし、 すぐに気がつかれ 追手ともみ合いになる

少女に向かい叫び 「逃げるのじや!」

「早く! 」


迷いながらも少女は雪の中を走ってゆく

少年は刀を振るい敵を足止めした


少年が持っていた貢ぎ物の剣が包んでいた布からこぼれ落ち


それを手に取った盗賊の一人はニヤリッと笑い

「凄いお宝じや!どれ試してみるか!」


剣を後ろから振る

そして 刃が少年の身体を貫く少年の悲鳴!

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