バグから始まるオッサンの異世界漫遊記
樹洞歌
第1話 プロローグ1 管理神サマの愚痴
吾輩は管理神である。名前はまだない。
あ”? ベタでメタだって?
構わん! 神様なんです~。ワシが正義なのじゃ!
キレやすい年頃? アホウ! 神に歳が関係あるか! 戯けが!
キレやすいというならすべてお前らのせいでゴザル! 日本人なら潔く責任取るのでアリマス!
何? 語尾が一貫していない? ウザイ?
誰のせいだ! お前らオタクどもが余計な情報を流しまくるからだろうが! ここで「にゃん」とか「だワン」とか出てきてみろ! チキュウ、ホロボス、アタマ、マルカジリ――
うわーっ! 見ろ! こんなワケのわからん言葉、使っちゃったじゃないか!
(謎の逆上中。しばらくお待ちください)
(数時間?後)
ふ、ふーっ、ふーっ……
も、もう大丈夫だ。システムはオールグリーンだ……落ち着け、ここに居るのは無能……いや、無辜の民。コロシても無意味だ。利用した方が建設的だ……よしっ、話し合おう。我々には言葉がある。
え? 声が出てた? やだなー先生。空耳よ。ホラ、ここ一応天国だし。
え? 上手いこと言っても騙されない? 教師ナメンな?
ちっ、しかたねえ。正攻法だ。
おい、そこのお前。ワシが管理神だ。見知りおけ。存分に敬うがよい。
なに? ムリ?
うん。わかってる。みんなそうだったわい。ったく、これだから日本人はやりにくいってんだ。下手したらワシより異世界に詳しいときとるからのう。
俺はオタクじゃないって? ハッ! そのセリフも聞き飽きたわ!
どうせ異世界行ったら知識チートするんじゃろ?
マヨネーズ作って農地改革するんじゃろうが!
何? マヨで農業はムリ?
アホウ! 言葉の綾じゃ。
とにかく! たいていの日本人の知識があれば異世界で知識チートができおる!
何より! ほとんどの日本人が異世界転生やら異世界転移について耳にしておるところが問題じゃ。いきなり飛ばされてもすぐに順応しよってからに。
だいたい、管理神たるワシに出会って頭を下げたのは、寿命を全うしそうなジジイくらいだったぞ。あとは中二病のガキからリアルおっさんまで、満遍なく状況を把握しとったワイ。
ああ、何人かチート目当てで土下座したアホがおったが、それはノーカンだな。誠意が感じられん。誠意が。
え? じゃあ敬意を強要するなだと?
うるさいわい! 形式美というものがあろう! 日本人なんだから空気読めや!
(再び謎の逆上。いましばらくお待ちください)
……ま、まあよい。そろそろ、本当に本題に入るぞ。寿命はないが、不毛すぎる。
さて、これからお前は異世界に行くことになるが――
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