今回で合計五回のこのコーナーも終幕を迎えます。いやはや皆様お付き合い誠にありがとうございました。

私としては五回も人様に読ませる文章を書くというのが中々ヘビーだったのですがまあそれはそれ、私の文章で逸話家に興味を持っていただければ幸いです。なんなら一度公式ホームページにアクセスしてみてください。募集要項とか載ってるので。私たちはいつも新しい仲間を募集してますよ。


さて、今回はラストですのでまあ何を書こうかなと考えたのですが、今までの怪談について少し考察して行きたいなと思っております。


以前申し上げたように逸話家は話を逸らし、逃げ道を作り、沈静化することが仕事であります。しかしながら、あまりに世間に浸透していたり、誇張され、強くなった怪談にはいきなり沈静化して下さい。なんてことは出来ません。徐々に弱らせていくのですがあれも無理のない範囲の噂にしなくてはなりません。

どういうことかと言えば、例えば口裂け女。あれはべっこう飴とポマードが苦手。という逃げ道を作ったわけですがどちらも口裂け女という怪談を活かした噂になっています。

この辺り、もし逸話家になりたいなんてかたがいるなら覚えておいた方がいいかと。


口裂け女、と聞いてやはり一番インパクトの強いものはその大きな口に当たります。

なのでべっこう飴です。べっこう飴という長持ちし、なおかつ粘着力があり、携帯して口を塞ぐということが出来るこの噂は逃げ道としても口裂け女を防げる、という理由としても筋道がしっかり通っているものです。


逆に言えばあまり筋道の通っていないものは効力を発揮しません。というかそもそも浸透しないんですね。怪談が消えないように身を守って効力を発揮しないのならまだ分かるんですけど、噂を耳にする私たち自身が話にリアリティを求めてしまっているのです。


好奇心は猫を殺すと言いますが私達も階段に溺れないようにご注意を。怪談も誕生し、消えない為に私達に見せつけてきますからそれを跳ね除ける強い意志が必要です。


所で関係ないんですけど、好奇心は猫を殺すという言葉、なぜ猫を殺すとなるのか調べたらどうやらイギリスのことわざである猫に九生あり、という言葉が転じて沢山命を持つ猫ですら好奇心で死ぬことがあるよ、という意味だそうです。


実際に猫だって一つしか命はありませんが、私達がそれを知る人が増えれば何処かに九つの命を持つ猫が現れることでしょう。

私たちは一つしか命がないのですから好奇心で殺す事の内容にしなければ。


はてさて、随分とまとまりのない文章にはなりましたが。お付き合い感謝です。

これからも皆様のカーナビでありたいと思う逸話家の黒守光でございました。またいつか。

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夜道と隅っこのカーナビ 恵那氏 @misozuke616

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