3ネタ目「デート」


「どーもー猿井です」


「蟹澤です」


「サルと、カニで、サルカニでーす」


「よろしくおねがいしまーす」


サル「元気モリモリで、やっていきましょうね」


カニ「がんばっていきましょう!」


サル「最近はもうクリスマス一色ですね」


カニ「ねぇ、もう町はカップルばっかりでねぇ、ボクもデートしたいなぁなんて思っちゃいますね」


サル「あれ? お前に彼女できるわけないかそうかなんかごめんね」


カニ「謝るくらいなら言わないでもらえる?」


サル「じゃあさ、俺が君の理想の彼女を演じてデートしてやるよ」


カニ「……え、お前が? 大丈夫?」


サル「大丈夫。こう見えても俺、令和のサーターアンダギーって言われてるから」


カニ「沖縄のドーナツじゃん。だからなんなんだよ。そんで令和でもあるよたぶん」


サル「まぁまぁいいからいいから。やってみましょう」


カニ「不安だな……よし、待ち合わせの時間より早く着いたぞ! サル子ちゃん早くこないかなー」


サル「……ゥオォーーーイッ! カニ男クゥゥーーンッ」(野太い声)


カニ「えぇ……」


サル「オ待タセシタデゴワス!(お腹さすりながら) イヤー、今日ノデート楽シミスギテ、ゴ飯三杯モ食ベテシマッタデゴワス!」(野太い声)


カニ「まってまってまってちょっと待って!」


サル「サッソク昼ゴ飯デモ…………えっ?」


カニ「いやいやいや、えっ? じゃなくて……なんでそんな太ってる設定なの?」


サル「この前、相撲が面白いって言ってたじゃん? だから」


カニ「……あ、僕が、相撲が面白いって言ったから?」


サル「うんうん」


カニ「太った女の子が好きだと思って演じたってこと?」


サル「そう!」


カニ「バカかよっ!」


サル「なんで!?」


カニ「いやいや考えればわかるじゃん! 相撲が好きだからって、お相撲さんみたいな女の子が好きなわけないじゃん!」


サル「…………あっ、なるほどねっ! じゃあごめん、こっちのミスだわ」


カニ「そりゃそっちのミスだろ!」


サル「じゃあさ、どんな子が好みなのか教えてくれよ。そしたら完璧に演じきってやるから」


カニ「自信がすごいな!」


サル「俺、令和のハーレーダビッドソンって言われてるんだぜ?」


カニ「バイクの車種じゃねぇか。だからなんなんだよ。そんで令和にもあるっての」


サル「で、どんな子が好みなん?」


カニ「そうだなー……まぁざっくり言うと、こう清楚な感じで、ちょっといいとこのお嬢様、みたいな感じの子がタイプですかね」


サル「なるほどね。つまり女ってわけだ」


カニ「解釈の仕方大まか過ぎて不安なんだけど! ホントに大丈夫?」


サル「大丈夫! 任せなさい」


カニ「どっからくるんだよその自信は……あー、サル子ちゃん早く来ないかなー!」


サル「――カニ男クゥーン! マタセチャッテゴメンネー!」(超高音&歯茎むき出し)


カニ「うわっ、きもちわるっ! なになに!?」


サル「今日緊張シスギテゼンゼンネムレナカッタノー! ホラ、ハヤク映画ミニイコッ!」(超高音&歯茎むき出し)


カニ「まってまってまってちょっと待って!」


サル「エイリアンガ地球ニセメテクルエスエフモノ…………ん?」


カニ「いやいやいや、ん? じゃなくて、なんでそんな歯茎むき出しなの?」


サル「この前、プ○デターが面白いって――」


カニ「いや言った! 確かに言ったけども! でもだからってプ○デターみたいな女の子が好きなわけないじゃん! 清楚な子どこいったんだよ! てかなんだよプ○デターみたいな女の子って!? そんなんいないよ!」


サル「……………………あっ、なるほどねっ! じゃあごめん、こっちのミスだわ」


カニ「それやめろ! ずっとそっちのミスなんだよ!」


サル「もう一回! もう一回だけチャンスをくれ! 三度目の掃除機!」


カニ「正直な。それただの綺麗好きだから。もうダメ、信用できない」


サル「大丈夫だって! 俺、令和のシャムシール・エ・ゾロモドネガルって呼ばれてるんだぜ?」


カニ「イラン神話に出てくる剣の名前誰が知ってんだよ! だからなんなんだよそんで!?」


サル「とにかく、もう一回だけ、お願いします!」


カニ「これで最後だからな! あー、サル子ちゃん早く来ないかなー!」


サル「やぁカニ男君、またせたね」(超低音)


カニ「男じゃねぇか! いいかげんにしろ」


サルカニ「「どうも、ありがとうございました」」

 

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る