2ネタ目「コンビニ」
「どーもー猿井です」
「蟹澤です」
「サルと、カニで、サルカニでーす」
「よろしくおねがいしまーす」
サル「元気モリモリで、やっていきましょうね」
カニ「がんばっていきましょう!」
サル「突然だけどさ、子供の頃よくいろんな職業に憧れましたよね」
カニ「ありましたねー。男の子だったらプロ野球選手とか、女の子だったらお花屋さんとかねー」
サル「君みたいな人間でもそういうのあった?」
カニ「言い方気になるな。もちろんありましたよ。僕は子供のころからお笑い芸人になりたいって思ってましたから! 夢叶えてるんですよ」
サル「おぉー! まあ今の売れ具合で芸人になれてるかどうかってのは、ちょっと微妙なところですけどね」
カニ「すっごい嫌なこと言うじゃん。そういうあなたはなにかあったんですか?」
サル「もちろん! というか、今でも憧れてるのがあるんですけどね」
カニ「ほう、今でも? なんの職業ですか?」
サル「いやー実はこれがね……コンビニ店員なんですけど」
カニ「なれる、なれるよ。すぐなれるよ」
サル「いやいや、ただのコンビニ店員じゃないよ? コンビニの、レジ打ちをやりたいんだよ」
カニ「だからなれるって、今から面接受けに行きなよ」
サル「……お前、コンビニのレジなめたらいかんぜよ!」
カニ「なんで坂本龍馬?」
サル「レジ打ちなんてコンビニでバイトしてる人間からしたら、高校野球で言う甲子園みたいなもんだからな?」
カニ「絶対違うよ。たぶん入ってすぐ教えてもらえるよ」
サル「まぁまぁとにかく、憧れがスゴイあるんで、ちょっとやってみてもいいですか?」
カニ「いいですよ。じゃあ僕がお客さんやるんで、店員さんやってください」
サル「了解の介」
カニ「なんだそれ」
カニ「ちょっとコンビニでお昼でも買ってこうかな。ウィーン」
サル「いらっしゃいませー!」
カニ「……」
サル「えーっと、おにぎりの品出しはよしっと、あとは……あ、後ろ失礼しまーす」
カニ「……」
サル「あ、バックヤードにまだあるんだった!」
カニ「……すいませーん!」
サル「あっ! はいただいまー! すみませんレジお願いしまーす!」
カニ「お前がやれよ!」
サル「はい?」
カニ「いやいや、レジをやりたいんだよね? レジやれよ!」
サル「そう簡単にはいかないよ、レジ打ちは、高校バレーで言う春高みたいなもんなんだから」
カニ「絶対違うし、その例えは甲子園の後じゃ弱い!」
サル「バレー部に謝れ!」
カニ「お前が謝れ! じゃあもう、君はベテランコンビニ店員で、レジのエキスパート! こういう設定で行こう!」
サル「えっ、お、おれが……レジのエキスパート?」
カニ「そんなに驚くかね……」
サル「だ、大丈夫? あとで体で払えとか言わない?」
カニ「言うか! はい、もうとっととやるよ! ウィーンッ!」
サル「いらっしゃいませ! ただ今揚げ物フェアやっております!」
カニ「ディティールはいいよ……これとこれとこれ、お願いします」
サル「ありがとうございます! 超絶頂女の悦び集が一点。実録エロい話が一点、週刊卑猥写真集が一点ですね!」
カニ「全部エロ本じゃねえか! わざわざ読み上げるなよ恥ずかしい!」
サル「お客さん……お好きですねぇ」
カニ「やかましいよ。エキスパートだから客との距離が近いとかそういうのはいらないんだよ。サッサと会計して!」
サル「えー、こちらの商品が……くっ!」
カニ「今度はなに?」
サル「……やっぱりできない、俺には……たとえ演技でも、今までレジを触らずに辞めて行ったコンビニ店員の気持ちを思うと……!」
カニ「だから大げさだってば!」
サル「大げさなもんか! コンビニのレジ打ちは、高校ラグビーで言う花園なんだよ!」
カニ「知らんし! 凄さが全然伝わらない!」
サル「ラグビー部に謝れ!」
カニ「今のは悪かった! ラグビー部の方ごめんなさい!」
サル「はぁ、やっぱ芸人の方が楽でいいや」
カニ「芸人なめんな! いい加減にしろ」
サルカニ「「どうも、ありがとうございましたー」
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