第3話 私は、ずっと前から。(前)
「惚れてねえよ。」「あれ。図星?」ニヤリと笑いながら、こちらを見る鳳にイラ立ち感じていると。スマホの通知音が鳴った。何だろうと確認すると無花「いちか」からの連絡だった。(また。あの場所で会いませんか?)嬉しくなり廊下でつったりながら返事を考えていると、鳳が「何してるんですか?」っと。聞いて来る。「いや。なんでもないよ。」ぼそついた声で答えると少し間が空き。鳳は笑いながら「そっか。」と。答えた。「…やっと会えたんだね。」鳳には何もかもがお見通しだった。もう驚くことでも無い。「、、、うん。」彼女に僕は俯き声を出した。たわいもうない会話だ。だけれど、胸をチクりと指すような痛みだけが残った。
貴方が俯きながら答える理由を私は知っている。だけれど私は笑っていなくちゃならない。(ああ、昔を思い出す。)彼岸花さん。貴方と初めて会った日を。二年前に学校の屋上で、いや。夢の中で貴方と初めて出会った。今でも鮮明に思い出す。夢の中では貴方と、もう一人綺麗な女の人がいた。私と同じ年ぐらいに見えたその女性に、彼岸花さん。はジっと見つめて。近づいて行く。何故か止めなくちゃいけない気がして。手を伸ばす。と、いつも夢が覚める。「ねえ。貴方は誰なの…。」涙が流れる。(もう何度も同じ夢見てる、もう辛いよ。)私はいつも同じ悪夢を見るせいで鬱気味になっていた。毎日。朝は布団にうずくまりながら泣いていた。「鳳~起きなさ~い。」両親の声が階段を駆け上り部屋まで響き渡る。「、、、学校行かなくちゃ」家族を心配させまいと涙を拭き、通常道理に日々を過ごす。「行ってきます。」「行ってらっしゃい。」夏と秋の間なんとも言えない時期。(熱いなあ。早く夏終わらないかな…。)私は夏が嫌いだ。いつまでも暑くて、いつまでも忘れられない。こんな夏が嫌いだ。だけれど、秋の風が混じりだして来ると。風が心を揺さぶり、涙が出そうになる。何故か、(夏を返してよ。)そんな感情が出てくる。学校の門の前に着くと「おはよ!鳳。」元気よく後ろから友人の愛欲(かなほ)が声を掛けて来た。「おはよ、愛欲。」「ん?どうしたの。元気なさそうだけど。」「ちょっとここ最近同じ夢ばっかり見てて、疲れ取れないんだよね。」「え、大丈夫!何か悩んでることでもあるの?。」心配そうに、愛欲は私の頭を撫でる。「ありがとお。愛欲がよしよし、してくれたから元気でたよ。」愛欲に心配させないようにしなくちゃ「え~!本当?!私が撫でるだけで鳳が元気になるならいくらでもするよ!よーしよしよしよし~。」「ん。ありがとう愛欲。」「あっ」と呟くと、愛欲は学校の屋上に目を向けた。(何を見ってるんだろう。)気になり愛欲に聞いた。「何見てるの?。」私は愛欲と同じ場所を覗き込んだ。先には、夢で見た。あの男子が立っていた。何処か遠い場所見つめてる、彼の姿があった。はっと息を吸い。吐いた、言葉が出そうで出ない。息が詰まったかのような、息苦しさが全身を駆け巡る。立ち止まっていると、愛欲が私の体を揺らし声を掛ける。「ねえ!大丈夫?。」「う、うん。大丈夫だよ。ごめん。話聞いて無かった。」「ええ!何それ!。そっちが聞いてきたのにい。」頬を膨らませて、怒る愛欲。に対して私は申し訳なさそうにした「ごめん。ちゃんと聞くからもう一回言って。」「もお。わかったよ。あの屋上にいる人さ、。」そう言うと屋上に人差し指を向け。「いつも屋上にいるんだよね。なんか、目で追っちゃう。話掛けたいんだけど、なんか近寄りずらい雰囲気あるから。声かけれなくてさ。」「へえ。」(私は、彼の事を知っている?いつも夢で見る貴方を私はいつの間にか視覚して。夢で見てしまっていたのだろうか、わからないけど。何故か私の思考ではない。体が(そうじゃない)と言っている。ねえ、貴方は何なの。)直球に聞いた。「ねえ。愛欲はあの人の事好きなの?」すると愛欲は頬を赤らめ、恥じらう。「そ、そんな好きとかじゃなくてさ。ん~…わかんない。」私は少し間を開けて言い放った。「そっか。」と。
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