8 幼馴染の金髪美少女、竹川花織は、僕を空き教室に連れて行くと、問い詰めて、告白!!!???( ゚Д゚)

 家に帰ると、8時半ごろになっていた。

 

 

 

 「ただいまー。」

 玄関の扉を開けて家に入る。

 

 

 

 「おかえり。」

 母が出迎えてくれた。

 

 

 

 リビングに行くと、母は御飯を温めていた。

 

 「もうすぐ、温まるから、座って待っててね。」

 

 

 

 「わかった。」




 「紗津貴と恵真理は。」

 僕は、きいた。

 

 

 

 「紗津貴はもう、風呂に入って、部屋に行ったわね。恵真理は、風呂入ってるわ。」

 母は答えた。

 

 

 

 温まった晩御飯を食べた。

 

 

 

 食べ終わった頃くらいに、恵真理が風呂から上がってきた。

 

 パジャマを着て、頭にタオルを巻いている。

 

  


 「お兄ちゃん、おかえり。」

 恵真理は、僕をみて言った。

 

 

 

 「ただいま。」

 僕は言った。

  

 

 

 「じゃ、部屋帰るわ。」

 恵真理は、自分の部屋に帰って行った。

  

 

 

 「母さん先、風呂入んなよ。」

 僕は、母をみて言った。

 

 

 

 「いいの。」

 母はききかえした。

 

 


 「いいよ。僕は最後に風呂に入るのが好きなんだ。」

 

 

 

 別に最後入る事が好きではないが、待たせていたのだから、申し訳なくて、いつも、帰りが遅い日は最後に入るようにしている。

 

 

 

 母は風呂から上がると、部屋に帰った。

 

 

 

 僕も風呂に入り、歯を磨いて、パジャマに着替えて、部屋に帰り寝た。

 

 

 

 朝になるといつも通り、目覚まし時計が鳴って、起きた。

 

 4月28日 木曜日だ。

 

 時刻は、午前6時過ぎ。

 

 朝食を済ませ、歯を磨き、制服に着替えて、準備をした。

 

 7時頃に家を出た。

 

 

 

 「いってきまーす。」

 

 

 

 自転車を走らせる。

 

 

 

 学校の校門を抜け、校内に入る。

 

 自転車置き場に自転車を停め、昇降口から中に入る。

 

 

 

 「おい、才丸 真七瀬。」

 

 

 

 仁王立ちで、金髪のギャルが僕の名前を呼んだ。

 

 知っている。

 

 僕の幼馴染だ。

 

 小学校の頃は、よく遊んでいたが、中学から急に、僕を避けはじめて、それっきり、会話すらした事がない。

 

 

 

 竹川 花織

 肩甲骨あたりまである、金髪の毛先をヘアアイロンで巻いている。

 

 目元はパッチリ二重で、ちゃっかりメイクもしている。


 肌は色白い。

 

 いわゆる、ギャルといった容貌だ。


 一組の生徒で、めちゃくそ頭がいい。 


 頭がよすぎて異次元の女だ。

 

 数学、物理、化学が得意で、プログラミングも出来る。

 

 プログラミングとパソコンは、もう学生のレベルではなくて、大企業の情報セキュリティ、国家の機密情報の情報セキュリティの、欠陥に気が付き、改善策を考えたりしているくらい、優秀で、賢い。

 

 

 

 「どういう風の吹き回しだよ。」

 僕は言った。

 

 

  

 「あんた、ちょっとこっち来なさい。」

 

 

 

 花織は、僕を引っ張ると、一階の空き教室に連れて行き、扉を閉めた。

 

 

 

 「あの、女は一体だれ。」

 花織は、鬼気迫った様子で迫った。


 

 

 目が笑っていない。

 

 

 

 「あの女とは。」

 僕はきき返した。

 

 

 

 「昨日、一緒に歩いてたじゃない。自転車を押しながら、仲良さそうにねえ。」

 

 

 

 言葉の所々に、憤りと、怒りを感じる。

 

 

 

 吉川 優の事であろうか。

 

 一体、僕が吉川 優と下校して何が悪いというのであろうか。

 

 

 

 「美術部の吉川さんだよ。」

 僕は言った。

 

 

 

 「付き合ってんの。」

 花織はきいた。

 

 

 

 「付き合ってはないよ。」

 僕はかえした。

 

 

  

 花織に少し、喜びの感情がみえた。

 

 安堵の表情とでも言えばいいのか。

 

 

 

 「へえ、そうなんだあ。でも好きなんでしょ。」

 花織はたずねた。

 

 

 

 「人としてね。」

 僕は答えた。

 

 

  

 「女としては。」

 花織はきいた。

 

 

 

 「興味ないね。」

 僕は言った。

 

 

 

 「じゃあ、あたしと付き合いなさいよ。」

 花織は、言った。

 

 

 

 言った後に、顔を真っ赤にして、うめいた。

 

 

 

 「あああああ、もう、何言ってんだろ、あたしい。」

 

 

 

 「ほんき。」

 僕はききかえした。

 

 

 

 「この態度みてもわかんないの。この鈍感。」

 花織は失望したように、僕を見つめた。

 

 

 

 熱い眼差しだ。

 

 

 

 「他に好きな人がいるんだ。」

 僕は言った。

 

 残酷だ。

 

 ごめん、花織。

 

 

 僕は花織が大好きだ。

 

 小学の頃からの友達だ。

 

 だから、心が痛い。

 

 

 

 「ひぐっ。」

 花織の目から涙が流れた。

 

 

 

 「ごめん。」

 

 

 

 「謝らないでよ。誰なのよ、好きな人って。」

 花織は、きいた。

 

 

 

 「上ヶ吹 美香だよ。」

 僕は言った。

 

 

 

 「誰よそれ。知らないわよ、そんな女、生意気ね。」

 花織は、悔しそうに、歯を食いしばった。

 

 


 僕には、ずっと好きな人がいる。

 

 小学校の頃からずっと好きな想い人が。

 

 一目惚れだった。

 

 一度も口をきいた事もない、けれどどこか惹かれた。

 上ヶ吹 美香 


 僕の一つしたの、女の子だ。

 

 


 「ねえ、あんたの気持ち悪い、女の子に罵られたり、蹴られたりするのが好きな性格って、治ってないの。」

 花織は、思い出したようにきいた。

 

 

 

 「治らないよ。未だにね。」

 僕は言った。

 

 

 

 「ははは。ちょーウケるんですけどおおおおお。小学の時みたく、蹴ってあげようか。ふふふ。」

 花織は、いたずらそうに笑った。

 

 

 

 「いいんですか。僕みたいなの蹴っても、何もイイことありませんよ。」

 僕は、うつむき加減に静かに言った。


 

 

 「いいのいいの。あたし等の仲じゃん。」

 花織はケラケラと笑って、言った。

 

 

 

 心地いい、笑い声だ。

 

 僕は花織の笑い声が好きだった。

 

 笑った顔が好きだった。 

 

 いとおしかった。

 

 

 

 「どうして、僕を遠ざけるようになったのさ。」 

 僕はたずねた。

 


 

 小学校が終わるころあたりから、急に、花織は僕に、よそよそしくなった。

 

 

 

 「君を意識しはじめちゃったからかな。もう友達ではいられないなって思ったのよ。」

 花織は切なく、寂しそうに言った。

 


  

 もう友達ではいられない。

 

 そんな風に花織は思っていたのか。

 

 花織は僕に恋していたのだ。

 

 なのに、僕はそれにずっと気が付けないでいた。 

 

 サイテーだ。

 

 

 

 「ごめん。」

 僕は頭を地面に擦りつけた。

 

 

 

 「久しぶりに踏みつけるわよ。えい。」

 花織は僕の事を踏みつけた。

 

 

  

 グり、グり、ぐりりんちょ

 

 

 

 相変わらず、踏むのがお上手なこと。

 

 優しく、軽やかな踏みだ。

 

 頭が妊娠しちゃいそうだ。

 

 

 

 「ほうら。こうやって、頭踏まれるのが好きなんでしょお。ほらほらああ。」

 花織は、僕の頭を踏みつけながら、ノスタルジーに浸っている様子であった。

 

 

 

 「懐かしいわね。こうやって、あなたを踏むの。あーあっ。あなたと、結婚したいなあ。」

 花織は心のそこからの声が洩れたように、溜まっていた感情が溢れだしたかのように、声を漏らした。

 

 


 こんなに、僕の事を好きでいてくれる、女の子をフるだなんて僕、サイテーだな。

 

 自分でも自分が厭になる。

 

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