5 クソ、誰だ、僕を通報したやつぅうう!!!。

 僕の事を忌み嫌っている男の五人組を退けた。

 

 

 

 すると、周りのクラスメイト達は驚いた様子で僕をみた。

  

 

 

 「すげえ、なあ、あんな、あたまが悪くて太刀が悪いって有名な、10組のごみどもを、追い返すだなんてよお。喧嘩だけは強くてコワいから、誰も文句が言えなかったんだよ。」

 クラスメイトの男の一人が言った。

 

 

 

 そうだったのか。

 

 道理で、パンチが力強くて、蹴りも他とは違った痛みの気持ちよさがあったわけだ。

 

 ま、僕にとってマッサージみたいなものだけれどね。

 

  

 

 クラスメイトの内の何人かは僕を、見直した様子だ。

 

 

 

 僕はただ、気持ちよく、殴られていただけなんだけれどなあ。


 

 

 キーン、コーン、カーン、コーン

 

 朝礼がはじまる。

 

 


 担任教師が入ってくる。

 

 180㎝越えの高身長、眼鏡の、センターパート、首後ろまでの長さの黒髪の男だ。

 

 目鼻立ちがはっきりとしていて、いい面をしている。 


 名前は、海鳥うみとり 椿つばき

 

 

 

 朝礼を終えると、担任教師は言った。

 

 

  

 「才丸くんは、一限目が終わったらちょっと、職員室まで来てくれ。」 

 

 

 

 なんの呼び出しだろうか。

 

 

 

 一限目が終わり教室を出て、職員室に向かう。

 

 

 

 一体、何をしたというのだ、僕は。

 

 

 ガラガラガラ

 「失礼しまーす。」

 職員室の引き戸をあけて、中に入る。

 

 

 

 「来たか。実は、先生も信じがたいのだが、君が隣町の小枝街の駅前で、痴漢をしていたと通報が入ってなあ。ま、証拠写真はないのだが、熱心に女性をみつめる君が写っている。ほら。」

 海鳥先生は、写真をみせた。

 

 

 

 「ちょっと、おっぱいと、尻を観察していただけですよ。やましいことはしちゃあ、いませんぜ。」

 僕は大きな声ではっきりと言った。 

 

 

 

 「おお。そうか。それは、驚いた。」

 海鳥先生も、周りの職員室の教師達も、あっけに取られたご様子だ。

 

  

 

 「でも、まあ、あんまりじろじろみるものではないよ。女の子もコワがるからね。」

 海鳥さんは、諭すようにして、優しい声で言った。

 


  

 コワがる。

 

 僕は、女の子にコワがられているのか。

  

 コワがられるのは好きじゃない、嫌われるのは好きだ。

 

 嫌悪され、忌み嫌われるのは好きだが、怖がられるのは嫌いだ。

 

 

 

 「コワがらせましたかねえ。酷い事は何もしちゃあいませんぜ。みてただけですぜ。」

 僕は言った。

 

 

 

 「コワがっていたかはわからんが、まあ、キモちの悪い男に、みられたという女の子がいてね。どうやらこの学校の生徒の女子らしいんだ。」

  

 

 

 誰だろう。

 

 キモいんじゃ死ねと言ってきた女だろうか、苺パンツの女の子だろうか。

 

 

 

 「へえ。そりゃ、酷い女子ですね。証拠写真まで撮って、学校に提出するだなんて非道ですわ。僕は、写真なんて一枚も撮ってませんぜ、脳みその中に保存はしてありますがね。」

 僕は言った。

 

 

 

 「ま、君が何をしようが自由だが、学校としては、こういう苦情が入ると困るんだ。これからは控えてくれ。」

 海鳥さんは、頭を下げて言った。

 

 

 

 ここまで、されると流石に気の毒に思えてきた。 

 「わかりました。控えますね。こういうことは。」

 僕は言った。

 

 

 

 「その言葉信じるよ。最悪の場合退学だってあり得るんだ。先生を許してくれ。」

 

 

 

 生徒想いな教師だ。

 

 嫌いになれない。

 

 むしろ、いい先生で、好きになってしまう。

 

 

 

 よくみると、先生もいい尻をしている。


 おっぱいはスーツで、隠されてよくわからないが、きっと素晴らしい乳首を持っているとであろう。

 

 「失礼しました。」

 僕はお辞儀をして、職員室から出た。

 

 


 クソッ。誰だ、通報したやつ。

 

 とぼとぼと、廊下を歩いて教室に戻っていった。

 

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