4 どうだ、みたか、追い返してやったぞい!!!。

 学校の校門へ来ると、入口あたりで、殊勝な心がけの生徒が挨拶運動をしていたり、生活指導の教師が、挨拶していた。




 自転車置き場に自転車を停めて、学校へ入った。

 


 

 昇降口しょうこうぐちの下駄箱に、外履きの靴を入れて、内履きと、履き変えた。

 

 

 

 僕の通う高校、私立瞳ヶ原高校は、そこそこ、有名な進学校だ。

 

 クラスは1組から10組まであって、1が一番賢くて、10がバカだ、クラスはテストの点数と、内申点と、課外活動とかを総合して決められる、といっても進学校だから、ほとんどどテストの点で決まる。

 

 僕は、2組だ。

 

 そこそこ、頭はいいほうだ。

 

 1クラス30人程度で、1学年300人程度の学校だ。

 

 

 

 周りからの目がイタい。

 

 

 

 入学初日に、僕は、やらかした。




 星川ほしかわ あかね


 同学年で動画投稿者にして、テレビにも出たことがあるという、超絶人気にして、デカパイ、美尻のクールガール、紫髪ツインテール美女だ。



 

 僕は彼女に、み嫌われ、目の敵にされている。




 入学式の日、僕は、いつも通り、観察していたのだ。

 


 

 星川 茜のおっぱいと、尻を見逃すわけにはいかなかった。

 

 ゆえに、観察していたのだ、星川 茜のパンツをみるためにしゃがみこみ、スカート中を階段の段差を利用して観察したり、おっぱいをじろじろとみて、尻をみていた。

 

 

 

 するとどうだろう。

 

 

 

 僕が変態野郎だということが全校生徒の知るところのものとなり、僕は変態扱いされたのだ。




 全校女子生徒と一部の男子生徒から目の敵にされ、警戒されているのだ。




 ゆえに、周りの人達の目がいたいのだ。

 

 


 「はあ、やめてくれよ。ま、その目でみられるのが好きなんだけれど、二ヒヒヒヒ。」

 ニヤリと、笑みを浮かべた。

 

 

 

 不気味な笑みをみた、女子生徒のひとりは、ゾクリと、身体を震わせ、走って逃げるように速足で、廊下を通り過ぎていった。

 

 

 

 「僕、嫌われてるね。」

 

 

 

 いいのだ。

  

 仕方のないことだ。

 

 ちなみに、星川 茜さんは、三組だ。

 

  

 

 周りからの忌みの目を受けながら廊下を歩き、二組の教室へ向かう。

 

 

 

 一年生の教室は三階にある為に、階段を登るのが面倒だ。

 

 

 

 階段を登り終えると、廊下を歩いて二組の教室へ向かった。 

 

 

 

 ガラガラガラガラ。

 

 

 

 教室の引き戸を開け、中に入る。 




 一斉に向けられる視線は、嫌悪と、忌みであった。

 

 

 

 常人だったら、耐えかねる苦痛であろうが、僕にとってはご褒美なのだ。

 

 嫌悪され、さげすまれることは、最高だ。

 

 

 

 思わず、笑みが零れて来て、ニヤニヤしてしまう。


 

 席に着く。

 

 誰も僕を認識しない。 


 

 

 しばらくすると、首当たりまでの長さの濃いオレンジ色の髪をした、身長160㎝ほどの、男が教室に入ってきた。

 

 

 

 北山きたやま 義景よしかげ

 

 僕の幼馴染で、腐れ縁を持つ、男だ。

 

 包容力のある男で、料理が得意だ、将来は料理人になって、自分の店を持ちたいらしい。

 

 ちなみに、義景はモテる。

 

 女子からも、男子からも。

 

 面もいいし、優しくて、歳の割に落ち着いているからだろう。

 

 大人の雰囲気があるのだ。

 

 

 

 「おはよう。真七瀬。」

 義景は僕をみつけると、声をかけてきた。

 

 

 

 「おはよう、義景。」

 僕は、言った。

 

 

 

 義景にとって、この学校で僕と話すことはリスクのあることだ。

 

 僕といるだけで、勘違いされて、変態の仲間扱いされるかもしれないからだ。

 

 義景は、まともな、やつだ。

 

 真っ当な人間だ、だからこそ、僕は義景が、僕に対して普通に接してくれることが、嬉しかった。

 

 義景からすれば、小さな学校という社会の中での、評価や評判なんて、どうだっていいことなのかもしれなかった。


 

 

 僕と、義景が仲のいい事は入学初日から、不思議がられていることだ。

 

 

 

 ガラ、ガラ、ガラ、ガラ。

 

 

 

 教室の中に五人程の男児生徒が入ってきた。


 

 ガタイのいいリーダ格と、瘦せ型の、眼鏡をかけたのと、デブと、普通の体形と、イガくり頭のチビだ。


 

  

 「才丸 真七瀬はいるか。出てこい。」

 五人の中のリーダの男が言った。

 

 

 

 「あすこですうう。」

 クラスの女子が僕に指を指した。

 

 

 

 余計な事、しやがって。

 

 

 

 「おお、御前かあ。キモいから死ねや。学校中の敵がよお。」

 イガくり頭の男が僕を殴って、いたぶり始めた。

 

 

 

 ドガ、ボコ、ドンドコ、ドコドンドン。

 

 

 

 痛い。

 

 痛いのには慣れている。

 

 

 

 「やめなよ。」

 義景は止めに入った。

 

 

  

 まずい。

 

 義景を巻き添えにするわけにはいかない。 

 


  

 「いいんだ。義景。僕が殴られれば済む話だ。」

 僕は二っと笑ってみせた。 

 

 

 

 義景は、悔しそうに、唇を噛みしめ、眉をひそめ、眉間に皺をよせた。


 

 

 でも、なんだか、殴られるのも、気持ちいいぞ。

 

 むしろ、ご褒美かもしれない。

 

 「気持ちいれひゅうう。」

 

 二チャリ

 

 二チャ、二チャ 

 

 二ッチャッチャ。

 

 

 

 「なっなんだ。こいつ、ボコボコに殴って、蹴ってんのに、笑ってやがる。」

 ガリの眼鏡の男は驚愕の表情を浮かべ言った。

 

 

 

 他の四人も、クラスの生徒も、驚き、戦慄していた。

 

  

 僕を成敗しにきた、男5人は僕が尋常ではなく、あたまのおかしい本物だと気づいて、驚き、恐怖している。

 

 

 

 「ひいい。こいつ、おかしいですぜえ。正気の沙汰さたじゃあ、ないですわい。」

 デブの男が言った。

 

 


 「もって来ましたぜ。」

 普通の体形の男がトマトジュースを持ってきて言った。

 

 

 

 「よしいいい。こいつを、ぶっかけてやるよおお。」

 五人のうちのリーダー格と思われる男が、トマトジュースを受け取ると、僕目掛けてぶっかけた。 


  


 「おりゃああああ。ざまあみろおお。」

 

 

 

 くさい。

 

 トマトくさい。

 

 けど、くさいものをブチかけられて、酷い扱いを受けて、気持ちいのおおお

 

 

 

 「気持ちえええええのおおおおおおお。」

 

 

 

 僕は叫んだ。

 

  


 「やばいですぜ。こいつは手を出したらだめなやつですぜ。」

 イガクり頭の男が言った。




 「うん。僕も考えを改めたよ。奴は、学校で嫌われ者の、クソ変態やろうだときいていたが、まさか、ここまで、とは思わなかった。」

 リーダ格の男は、僕をみると、恐怖に身体を小刻みに震わせ、言った。


 

 

 どうやら、僕はおそれられているらしい。

 


  

 逃げる気であろうか。

 

 

 

 「じゃ、帰るぞ。御前ら。」

 リーダ格の男は言った。

  

 

 

 「はい。」 

 他の四人は返事をした。





―――――――――――――――――――――――――――――――――――――― 

昇降口・・・校舎などの出入り口で、上履きと靴を履き替えるところ

 

  

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