第8話 秘書とお中元

 医局には各病院やら取引先からお中元が届きます。冬にはお歳暮が来ます。もちろんこちらからも贈っているのですけどね。

 選ぶのは病院長なのか事務方なのかわかりませんけど、お菓子やらジュースやらアイスクリームやらビールなども届きます。もちろん勤務中は飲めないので、お持ち帰り用です。

 秘書もご相伴に預かります。ありがたくいただいております。

 医局に置ききれない分はロッカーや低温室などにしまって、なくなったら補充…というように小出しにします。

 そして中でも一番人気なのは、カップラーメンのお中元。

 もともと某大学病院に勤めていらして、今は開業されている先生が贈ってくださるのですが、やはりカップラーメンと言えば日清カップヌードル。一番人気はチリトマトで、そのうち私も食べようと思っていたら無くなっていた。今度来たら…!

 先生方はお忙しいので、お昼などはよくコンビニや売店で売っているお弁当などを購入されて医局や研究室で召し上がります。

 そしてカップラーメンが来ると、速攻で先生方はそれをお昼や夜に短時間で胃袋へ。ピッチで呼び出しなんてしょっちゅうですからね。

 医者の不養生とはよく言ったものです。

 まあ毎日カップラ食べてるわけじゃない…とは思いますが、先生方の昼食を毎日チェックしているわけでもないのでそこらへんはわかりません。

 でもそんなメタボを気にするような体型の方は、某科にはいらっしゃらないので大丈夫だと思われます。

 お医者さんなので、自己管理はお得意でしょうしね。

 ちなみに、A教授は落花生がお好きなようです。殻付きのやつ。これは毎年取引先からいただくそうです。

 医局にお中元で届いた品を置いているのですが、教授室から秘書室を通って医局へよくつまみにいらっしゃいます。

 医局で仕事することが多い桃さんが「落花生あると、医局によく教授が来るんだよね…」とぼやいていたのは教授には内緒です。

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