第4話 秘書とお掃除
先生方はお忙しいので、スクラブを某大学病院のクリーニングに出されます。秘書がまとめて持っていって、帰りにクリーニングされたものを医局へ持って帰るのです。
某大学病院の某科は結構先生の人数が多いので、先生ごとにスクラブを分けて先生方の机の上に配布します。
今はなんとか慣れましたが、初めての頃は先生方の机が誰のがどこにあるか分からず、印刷した先生の机の場所を片手にスクラブを置いてました。なかなか覚えられなくて、最初は大変だったなあ…(遠い目)。
そして週に一度の掃除。
なんで週に一度かというと、教授は掃除機の音が大嫌いなのだそうです。なので、教授が外勤へ行く日しか掃除機をかけられないのですね。納得。
そしてこれが結構大変。部屋が結構あり、さらに先生方お部屋にいらっしゃるときは掃除機はかけられず、その場合はモップかけたりロッカーの上もモップかけたり、各部屋にある水道を掃除したり。水道があるのと先生方が書くお部屋で飲食されるので、結構床も汚れているのでハンドタオルを濡らして床掃除。
ウェットのクイックルワイパーあれば便利なのにな…。と思って杉さんに提案したが、却下された。雑巾をつける挟んで拭く昭和の時代の掃除用具を紹介される。今令和なんですが。
ある日水道を掃除していたら、杉さんにクレンザーを使っているか聞かれる。
私「ハンドソープで洗ってっていわれたので使ってませんけど…」
杉さん「じゃあ使って。黄ばんでる」
私「!?」
えっ…。マジすか。黄ばんでるってどういう評価?
私の目には白に見えるんですけど…。私の目がおかしいの?
しかし、ぺーぺーの私が逆らえるはずもなく、その日からクレンザーで洗うことになった。
さらにまた別の日。
水道を洗うスポンジが古くてくねくねで洗いづらいので、新しいスポンジを出した時。
杉さん「新しいスポンジ出したの?」
私「はい」
杉さん「これは食器洗いに使ったのを落としてシンク掃除したのを使い終えたものにを使うの。新しいのなんて使わないで。スポンジだって買うのにお金かかってるんだから」
私「………はい」
新しいスポンジを使うだけでこんな文句言われるのか。
このとき、近くに会ったごみ箱を蹴っ飛ばしてやろうかと思ったのは秘密である。
しかし、杉さんはあと数か月で退職する予定のお方。
杉さんがいなくなったら、絶対クイックルワイパーのウェットシート買うんだ。クイックルの本体はあるし。
私はその日、心に固く誓ったのであった。
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