第39話
「歯を抜かれた子どもにはもうおねんねしてほしいネ。
もう、大河ちゃんには達人の感覚はだいぶ落としたものは理解してもらったし、終わりにしていいネ。
さっさと帰って、女湯を覗きに行くネ。」
鯱蛇キメラは、命のレールの上から脱線した。
シムさんが最後に呟いてたこと。
水晶でそのつぶやきを聞いていたモノはこういった。
「最低。」
ゾクッと震えた。
ミリオタだろうが童貞は童貞ですもん。
女性に対して苦手意識を持っていて当然なんです。
自分、女子と話したことなんてほぼ皆無ですし、隣で氷のように冷たい声音で言われるととてもゾゾッと身体が震えるようなんです。
というかシムさん、いつか俺も一緒に連れてってくれ。
地球だとそんな度胸は無かったが異世界だった俺はやれる!
光化学迷彩でも何でも作って女湯を覗いて見せる!
「ねえ、上官、上官は恋人を作ったら他の女性に現を抜かすことなんてありませんよね。」
「はぅ。」
「ねえ。」
蛇に睨まれたカエルとは正にこのこと。
立場が逆転するの早くないですか。
所詮は気弱な男子でしかなかったってことですかね。
あ、でも恐妻家の軍師も居たらしいので何とも言えませんね。
「えっと、確約は出来ないです。」
「ほう、上官の癖にナマイキですね。
コレハオシオキガヒツヨウデショウカ。」
「いやいや、女性経験が無い人間に対して確約を求めること自体間違っている。」
「一理ありますね。」
「そうでしょうそうでしょう。
そもそも、経験の無いことに対して、確約を施すのは愚の骨頂、
ならする可能性は捨てきれないと言った方がいっそ監視すればいいと思えるのではないですか。
女性関係に疎い人がどの程度の範囲までが許されるか、把握できてる筈が無いわけですし、
クリスティーナさんも、わからないことは教えてくれる人が居たでしょう。」
「なるほど、家庭教師のように一から女性関係について教えて行かなくてはそもそも浮気の定義が解らないと言うことですね。
つまり、私のことを婚約破棄したバカ王子は、王妃様の教育が間違っていたことに他ならないと。
これは由々しき事態ですね。
早急にクリフォト帝国を滅ぼさなくては。
上官への女性関係の教育も施していきますが、このダンジョンからクリフォト帝国を攻め込む算段を私が責任もって考えます。」
「は、はい。
でも、女性関係って人それぞれだから、婚約者がきちんと教えるべきだからね。」
「ええ、もちろんです。
童貞マスターにこれから恋人などができるとは思っていませんが、常識の範囲内で教育いたしますので。
他の女性に引っかかっていいと思う女性はあまりいないのが大多数でありますから、きちんと勉強してくださいね。」
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スライム道
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