第35話
「クリフォト帝国の公爵令嬢か。
シム、そのダンジョンの位置はどのあたりだった?」
「そうネ、大河ちゃんのいる大陸にそこそこ近めの離島ネ。
クリフォト帝国のある大陸には結構な距離があるネ。」
「クリフォト帝国の近くにはこの大陸にまで流れる特殊な海流がある。
その流れに身を任せて流れ着いたかもしれない。」
偏西風からなる海流や黒潮みたいなものだろうか。
あのての海流に呑まれると国外にまで流れ着く可能性も無くはない。
クリフォト帝国は海にも面しているから海蛇の混合個体を作ることができた。
「その手の技術って鷹も使えなかったか?」
「俺が実践的にできるのは他の組織を反発しないようにする調整ぐらいだぞ。
遺伝子を下からいじることはできねえよ。」
「それでも充分だと思うけど、技術的にこのキメラはどっちだ?」
「多分、生まれながらのタイプ。
小さい口傷は多いが最近のものが見当たらない。」
「卵子からかすげえな。」
「もしくは身体が未熟な頃に施したかもしれないがそれだと成長につれて組織の拒絶反応が起きる筈だ。」
本能としてのベースは鯱蛇のまま。
他の生物を無理矢理くっつけた感はあるが他の本能も混ざっていなければ生物として生活するのは幼少期は困難を極める。
なら初期段階のうちに施工、定着するまでの間を育てた線が有力に見えるが、異なる組織は反発しやすい。
同族ならともかく全くもっての別固体。
鷹の推論が正しければ、病弱かつ認知機能の低下が存在するはず。
しかし鷹のスナイプした場所を的確に認知し、迷宮内部の数々の入り口から知恵の門の中にいるという認識をしている。
「上官!
発言の許可をお願いいたします!」
「どうした?
発言を許可する。」
「は!
私め、上官の友人について何一つ知りませんので情報共有をするべきでないかと。」
「ふむ、本人の口からも話してもらった方が良いな。
よろしい自己紹介をしろ。」
「は!
私は元クリフォト帝国、ロウ公爵家所属クリスティーナ・フォルテ・ロウと申します。
軍用魔法は当時のモノであれば極秘のモノを除き全て覚えています。」
「というとその変身魔法みたいなのも軍用魔法ってところか。」
「はい、元々は仮想敵国のスパイとして髪の色や肌の色顔の民族的特徴を真似る程度の魔法でしたが、生前の自分程度であれば真似ることができます。
また魔力で肉体を錬成しているため重さ、痛みなども再現することができます。」
ハニートラップ要因としても使えるよう捨て駒として育てられたように思えた。
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スライム道
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