第34話
「ふむ、では今のネム君の動きを思い出しながら鯱蛇と戦闘してもらおうか。
シムから念話が今入った。
どうやら鯱蛇をベースにしたキメラモンスターのようだったが問題はない。
むしろ本能を歪められている分弱いし、初めての戦闘が人型だとやりづらいだろう。」
「師匠、人同士の戦い方しか知りません。
というか今まで習ったことって肉体づくりぐらいなんですけど。」
「うむ、師匠か。」
「そこ照れなくでいいですよ師匠。」
顔を赤くして照れているけど、誰得ってかんじ。
新任教師が先生って言われて照れながら挨拶するみたいな空気が出ているところをセオリさんがコホンと咳払いをして話を元に戻させる。
「ふむ、では大河君の友人と繋いでくれ。
あの環境下で行うには多少の慣らしも必要だし、彼が今現在どんな戦力を保有しているか気になる。」
「ハイ、今繋ぎますね。」
現状把握はとても重要だ。
ゲームでも同じようにログをよく確認しつつ、ボタンの配置を把握しておかないと詰む。
取説読まずしてゲームができるのはRPGぐらいだ。
RPGも取り返しのつかない要素があるので詰む可能性も非常に高いが……。
某村長ゲームでは初回果物全部喰って詰んだ大河は思うのであった。
「あーあー、聞こえますか、聞こえますか、こちら大河、こちら大河、応答願う。」
「ピンポンパンポン迷子のお知らせです。
芽出 大河君、芽出 大河君の保護者の方はサービスカウンターまでお越しくださいませ。
繰り返します。」
「そこまでやらなくていいよ。」
「最後までやってこそギャグだろ。」
「そんなギャグはねえよ。」
先ずは互いの緊張感をほぐれさせたのちに対策会議をする。
よくある面接とかでやる手段で、相手の本音を引き出すことを目的とした方法。
まあ現状をより緻密に把握するための手段として今回は使った。
素が出るので、その分情報が稚拙になる可能性は捨てきれないが、そこはミリオタである親友を信じる。
彼のオタ道スピリッツが作戦を練らせないわけがないのだ。
ミリオタにもいくつか種類がある。
歴史オタの中にもミリオタ、兵法なんかを学んでいるタイプ、それが我が親友の海砂 鷹だ。
「現状報告、対象個体、鯱蛇、サメ、虎の混合個体(キメラ個体)、不完全な組み換えを行った形跡アリ、生きたまま行ったかどうか不明。
ダンジョンマスターとみられ、俺たちの年代の技術でも可能か不明、しかし、精神年齢は若い。」
「承知、ほかに戦力は?」
「大河から救援に着れくれたシムさんに加え、混合個体を作成した国の祖先とみられる公爵令嬢が一名、そこそこ魔法に長けている。」
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スライム道
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