第31話

「えっとあなたは?」


「私はその昔、王子が婚約破棄するとかほざいていたから。

 その男爵令嬢に対して教育をして差し上げたら処刑された誇り高き法の番人の公爵令嬢クリスティーナ・フォルテ・ロウよ。」


悪役令嬢と思えるだけあって何したんだろうと気になるところをぐっと抑えて自己紹介をする。


「一応ダンジョンマスターをしている名は言わないでおく。」


「ダンジョンマスターに会うの初めてですがお見知りおきを。

 しかし、私の死体はどこに捨てられていたのですか?」


この女性はかなり剛胆な性格かもしれない。


「えっと……。」


「他のアンデットから見るに海ですね。」


「はい。」


話の主導権をあっという間に奪われた。

日本で言うところの名家の人みたいに敬語とかで上げ足を取るタイプでない分まだ好感が持てるが、話の主導権をずっと手に入れていたいと思うタイプの人だ。

こういう相手には自信を付けさせると質が悪い。


「貴様の現在の上官は誰だ!」


「い、いきなりなんですか。」


「貴様の現在の上官は誰かと聞いている聞こえないのか!」


「え、ええと。」


「遅い!貴様の上官はダンジョンマスターにたるこの私だぞ。」


「し、しかしクリフォト帝国の方では軍部は貴族に逆らえないと言う決まりが……。」


「貴様ここがどこか理解しているのかダンジョンであるぞ。

 資産は全てダンジョンマスターのモノであることを理解すべし!

 返事は!」


「は、はい上官!」


「返事はイエッサーだ!」


「イエッサー。」


良し、これで話の指導を握った。


「では貴様の持っている情報を全て伝えろ!」


「は、ハイ。

 私は元クリフォト帝国、ロウ公爵家所属、第一公女だったものです。

 別名法爵と呼ばれてる家の生まれでございます。」


ことこまやかに話されたことを聞けば、彼女は当時の王子様から婚約破棄を言い渡された、

そしてその理由が殿下の不貞であったことからその相手と殿下に対して裁判を申し立て暗殺されたとのこと。


また、最後の抵抗として自分の死に関与したものすべてに司法に乗っ取った行動しかできなくなる呪いをかけた。

その呪いは呪いにあらず、国として機能している限り、続く当たり前のことのため解除不可能にできていた。


彼女は魔法に関してもとても勤勉で法と名の付くものであれば徹底的に調べていたそうだ。

ちなみに、彼女は住んでいたクリフォト帝国は大河の国の近くにある帝国とは違う国らしい。

しかし、ダンジョンの資産化には成功している国らしい。

つまり喰われたダンジョンマスターが居る。

もしくは王族になっているマスターが居ると考えてよさそうだった。

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スライム道

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