第30話 アンデットガチャ

「ああ、早く来てくれねえかな。」


知恵の門バリアはまだ生きているが謎の力も弱まっているかもしれない。

もうダンジョン内部に入っている生物は俺以外いなかった。

ダンジョンポイントも湯水のごとく入ってくるがそれを超えるモンスターを召喚できるか、と言われればnoと答える。


「大河みたいにアンデットガチャをするのが現実的なのか?」


コスパの良さからすれば博打になるがアンデットガチャは有効だ。

何もしないよりかはいいだろう。


「アンデット地帯を作成。」


階層を深く深く作りながらも土地を盛り上がらせて天高い山になるように徐々に徐々にと底上げしていく。

まだ見ぬ人類に対しての対策と同時におびき寄せる餌としても使うために見張り台兼空軍基地のようなドックを造るために今のうちに地盤を魔改造していた。


アンデットを呼び寄せる地帯は、この世界の文明のことを考慮して序盤に入れ、階層を隠しつつも上か下かの選択肢を与える環境を作っていく。

ゆくゆくは市街地戦もできるように家々の強度をあげる。

干し草を混ぜた日干し煉瓦で最初は良い。

しかし地盤は基礎工をして頑丈に。

いくつかは障害物になるよう鉄の板を仕込んでおく。


「地雷原とかにするのもありだが、後々の処理がめんどくなる。」


不発弾もしかり、後々の処理方法を確立できていないこの世界でそんなものをふりまけば戦争に使われてしまう。

海に在んな化け物が居るくらいだ。

大砲に準ずる技術くらいはあるだろう。


これも海の中に入れれば水柱を上げる代物だ。

アレが肺呼吸ではないとは思うが大ダメージは与えられるだろう。

このダンジョンが耐えきれるかどうかは疑問だが……。


このダンジョンの力がどこまで耐えうるのかを知らないからこそ実験できない。

他のクラスメイトが放棄したダンジョンでも見つかれば嬉々として実験を某国のように行うかと言われれば、日本人としての良心が嘆く。


だからこそアンデットガチャに賭けるしかなかった。


「つってもスケルトンしかいないな。」


骨格で見るしかないが成長途上の骨が多い。

もしくは骨の形すらもとどめらていないようなものばかりで頭蓋骨が無いので知能の付与不可と表示されるものばかりだった。


「しゃーね。

 一番年齢の高そうな女性っぽい人から試してみるか。」


知能付与をすると、スケルトンは身体を確認して魔方陣を生み出した。


「私をよみがえらせたのはあなた?

 ダンジョンマスターさん。」


見た目麗しくも悪役令嬢という容姿がぴったりと当てはまりそうな美女にスケルトンは変身した。

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スライム道

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