第26話
「使い魔からの報告によりますとアンデットたちは一定の行動パターンのもと動いているとの報告が上がっております。
また、ダンジョン内部は大通りを抜けた先には畑があるとのことです。」
「ダンジョン内部に畑か……。」
ここのダンジョンに限らず、ダンジョンマスター在住のダンジョンには畑があることが多いとの報告が上がっている。
何ら不思議ではないが、これでは町そのものをアンデットで作っている。
畑を作る報告が上がっているのはそれを食べるモンスターが自主的に作っている報告ばかりだった。
彼らかすれば、自給自足の生活をさせるために行っているモノだと思っていたが、今回のように食事を必要としないアンデットが畑を耕すのには疑問しかなかった。
「他に報告に上がっているモノですと……畑では幻の食材と言われたモノが育てられているそうです。」
「幻の食材?
確か、前回潜った騎士団の報告にも挙がっていた
都魔徒(トマト)
謝我芋(ジャガイモ)などといった作物のことか?」
「それもありますがスパイスの類もあるようです。
また、塩を土壌から生成する幻の薬草、塩疎(シソ)が存在しております。」
「ダンジョンでスパイスが発見されるか、これはまさしく帝国のダンジョンに近いな。」
「また、畑の土壌も前回上がっていた報告と同様、暗黒地帯の土壌が使われているとのことです。」
「水源は確認されたか?」
「いえ、一切確認できておりません。」
水源無くして作物を育てられるはずはない。
どこかに水の流れるところがあればそれを利用し、ダンジョンの階層を飛ばすことはできないかと考えていた。
そのことを部下も察知したのか、指摘する。
「隊長、伝説上の作物には水を必要としない環境でも育ったという記録があります。
ましてやこれだけの土壌、潤いも土全体にありますし、必要ない可能性が高いかと。」
「なら正攻法の次の階層への入り口は?」
「まだ確認できておりません。」
「この街の中に隠してあるって考えるのが妥当か。」
「また、妙な点がありました。」
「妙な点?」
「やせ細った畑に一部の幻の食材が栽培されております。」
やせ細った土地でも育つから幻の作物と言われているのだが、わざわざいい土壌があるのに妙だ。
「その幻の食材はまだ生え切っていないのか?」
「はい、まだ実をつけていないモノが多く存在することから芋なども食べれる大きさではないと思われます。」
「ますますわからんな。」
「実験をしている可能性もあります。」
辺境騎士団は学者連中と違い、実験するよりも生への執着が強い。
だからわざわざ作物を食べれる状態にしない意味が解らないのだ。
「一先ず、伍長をつくり分散、各隊階層への入り口を見つけ次第、使い魔を飛ばせ。」
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スライム道
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