第25話
「ダンジョンマスターの裏切りに遭い滅んだ国がほとんどだ。」
「……。」
兵士は押し黙る。
ダンジョンマスターが裏切ったのかは定かでは無いがモンスターが溢れて滅んだ国の方が多かった。
危険性を加味するなら隣国近くの辺境ならともかく王都にダンジョンを置くなど正気の沙汰ではない。
「帝国くらいですもんね、ダンジョンと共存しているのは。」
「あの国は我が国以上の大国だ。
ダンジョンからモンスターが溢れても常時対処できるように軍隊が民が寝ている間も監視をしている。
我が国に忠域を捧げた身として発言していいのかわからんが、あの国は我が国の全ての辺境騎士団を持ってしても勝てる未来が見えぬ。」
毎年開かれる帝国の軍事パレードは周辺国を必ず呼び込み、帝国の一端を見せつけていた。
かつ間者は徹底的に排除する重要な情報への秘匿性。
軍事力を見せびらかすバカな国と思ってかかることなかれ。
情報を秘匿しつつも見せている技術だけで他の国を圧倒する。
強国の抑止力ともいえる媚びへつらいをしなくとも周辺国全てを相手どろうとも負ける未来が見えない
「アレと比べるのは酷ってものですが、隊長。」
「ああ、私も思った。」
帝国に匹敵する強者の風格を持つアンデットがちらほらいた。
敵意はなし。
こちら側から干渉しなければ問題ない。
しかし、彼らの練度は自分たちが差し違えてようやく勝てるかもしれない程度の力。
ここで兵を減らすのは悪手。
「隊長このアンデットタウンの調査報告が使い魔から来ました。」
先に放っていた、密偵の使い魔からもたらされた情報を下に地図を作成。
そしてモンスターの特徴をまとめる筈だった。
「今後も常時変化する可能性はあるが、それでもダンジョンマスターの傾向を掴むは少しでも情報が欲しい。」
「これだけ変化するってことはダンジョンマスターが健在だってことですもんね。」
「大抵はダンジョンを放棄するマスターも多い。
もしくはダンジョンを脅威とみなされるような大規模虐殺をして早々に討伐されるタイプが都市部にできるダンジョンの特徴のはずなんだが……。
ここのダンジョンマスターは人間を追い出す、もしくは諦めさせるような知恵の門を造りつつもその副次報酬で人間を寄せ付ける。
妙な考え方だな。」
「野菜の栽培とか考えてる時点で長期間のダンジョン探索をさせる気しかないですよね。」
「その癖、今回の探索で初めてのモンスターが出たかと思えば敵意が無い。
一体どんな考え方をしているのやら、
それで使い魔からの報告は。」
辺境騎士団団長兼体長は使い魔から報告待った。
彼らはアンデットが最初に出たモンスターと聞いているが前回のスライムたちからの苦戦を強いられたことは知らない。
王都騎士団のプライドが報告書に書かなかったからだ。
これが今後どう影響するかは辺境騎士団には知る由も無かった。
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スライム道
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