第16話
貧乳サキュバスって売り切れなの?
「召喚サキュバス。」
あらまあ、思春期真っ盛りの男の子なら一度は夢見る種族サキュバス。
ナニに対して夢見るのかは知らない。
そして現れたサキュバス。
誰もが夢見た巨大な双丘は無く、グランドキャニオンを奮い立たせるもっと雄大な胸をしていた。
しかし顔は可愛い。
シムさんが膝をついた。
「く、何で、何で、なのネ。」
必死に拳を床に打ち付けるがダンジョンが崩壊していきそうな気がするのでやめて欲しい。
「これこれ、シム君、ダンジョンが崩壊してしまうから辞めなさい。」
「……眠い……。」
召喚されたサキュバスはとても眠そうな目をしている。
深紅の艶やかな髪の毛に透き通るような金色の瞳は悪魔である証拠。
でも、眠たげな瞳が強気な女性という印象を変え、なんとも好印象に持ち上げている。
「大丈夫?」
「……あなたがわたしのますたー……?」
「まあ、そうなるのかな。」
「……私、お仕事あるの………無いと思うけど……。」
「サキュバスの変身能力とかはないの?」
「…それは夢の中だけ……。
……でも、マスターのためなら変身できるモンスターだせるよ……。」
「ふむ、当ては外れたが、今の河ちゃんと同じくらいの力しか持っておらんし、対戦相手としてはドッペルゲンガーと同じく丁度ええじゃろ。
他に何かモンスターはないかの。」
「あのでも、もうダンジョンポイント使い果たしてしまったので呼べるモンスターがいません。」
ダンジョンポイントが後は緊急時の防衛分しか残ってない。
「……ならモンスター新しく出す……。」
次の瞬間凄まじいエネルギーの奔流がダンジョン内を駆け巡った。
「あれ、ダンジョンポイントがマックスになってるんですけど。」
「……売れ残りだったから、頑張った……。」
貧乳サキュバスって売り切れなの?
って思ったけどシムさんが項垂れている様子を見ると本当にそうなのかもしれない。
「ケドマサドラ、サキュバストタタカッタコトアルヨ。
ソノトキ、ヘンシンツカッテキタヨ。」
「……それ多分、サキュバスメイジ……
……彼ら変身魔法使える……。
……私使えない……。」
「サキュバスのクラスね。」
「人間で言う専門職みたいなものがクラスにあたる。
シムはそこまで調べが回らなかったがための彼の落ち度だな。」
「……私、要らない子……。」
「大丈夫だよ。
いてくれていいから。」
「じゃあご飯くれる。」
「へ?」
「ふむ、私たちがここに居るのは野暮というものだね。」
「ちょ、俺今修行したばっかりで一歩も……。」
餌は所詮、餌、捕食者に勝つにはもっと修行せねばと心に誓った。
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スライム道
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