第15話

「では修行をはじめるとする。

 ダンジョンを走り回りながら、弱点を探しつつ体力づくりだ。」


「このダンジョンがどのくらいかもう把握しているんですか?」


「ダンジョンから生まれたモンスターは皆ダンジョンの構造を理解しているから、

 このダンジョンが十駅くらいの距離はあることは理解しているよ。」


異世界の駅とは馬の休む場所であって大体10kmくらいしかない。


しかし10kmは遠い。


合計100㎞の距離を走れと?


腹筋背筋腕立て100回に10kmのマラソンなんて到底できない私にそれが可能とは到底思えなかった。


「ってかこれは一体。」


背中にドッペルゲンガーさんが括り付けられているのですが、その上に慶先生がのっております。


アンデットだから軽いと思ってみたら案外重いです。


「ほら、キリキリ走る(ニタァー)。」


ひえええ。


走るわ走るわ。


自分の作ったダンジョンの解説もされていた。


「ふむ知恵の門を活用するのは良いがそれだと、修練にならないね。

 相手がこちらを殺しに来ている以上、情けは無駄な力の使い方をしてしまう。

 それは礼儀に反すると言うものだよ。

 もし、それでも人を殺したくないと言うのなら強くなりなさい。

 殺人を仕掛けてくる人が児戯に等しいような強さを手に入れればいい。」


「ししょぉぉぉぅぅぅ。」


もう恨みの連鎖しか、見当たらない地獄のような修行だったと思った。


しかし、それでもダンジョンの防衛は行わなければならないと、ダンジョンの防衛を変更しに行った。


「ダンジョンマスターならば憑依して彼らと戦うのも良いかもしれんのう。」


「流石ですね。

 長老、我々も知りえぬことを存じ上げているとは。」


「とりあえず、慶君や、大河君と同等くらいの筋肉と背丈、できれば人型のモンスターはおらんかのう。」


「でしたら、悪魔系がよさそうですな。」


言われるがままに悪魔系のモンスターを召喚するための準備をしていく。


「それならサキュバスがいいネ。」


「それはお主の望みじゃろうて、シム君。」


シムさんは顔が上手く見えないが男性の趣味をお持ちのようだ。

多分男性だと思う。


「私の望みもあるけど、サキュバスに良いところがあるのは本当ヨ。」


「ほほう、シムがそこまでモンスターに詳しいとは驚きだな。

 私のサキュバスについての認識は性に関することなら右に出る者はいないとされる悪魔だが。」


「そうネ、性に関するエキスパートだからこそ、男にも成れるネ。」


「つまりは?」


「性癖を再現すればいいねネ。

 彼とほとんど同じ体格に成れるようにすることも可能ネ。

 元々人間形態だからドッペルゲンガーと違って骨格の重さまで再現できるネ。」


「よくそこまで調べてもんじゃのう。」


____________________________


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スライム道

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