第14話 ライバルはスライムのようです。

ライバルはスライムのようです。


「なるほど、長老の考えそうなことネ。」

「流石長老です。」

「グルルルル、オモシロソーヨー。」


このアンデットたちはどうにもキャラが濃い。

最初に話したのはキョンシーで、もう一人は落ち武者スタイルのスケルトン。

最後はシャーマンに呼び出されそうなレイス。


キョンシーがシムさん

落ち武者が慶さん

レイスがマサドラさん


彼らに一先ずの事情を話、今後の予定を組み立てようとしていた。


「まず最初はどうするかのう。」


と言っている間に警笛が鳴った。


「敵襲かのう。

 とりあえず、今のところの実力を見るために一つ撃退してみんさい。」


モニターの敵を見れば冒険者っぽい服装をした一人の男が居た。

何故、釘バットを持っているか謎だが、それが彼のポリシーなのだろう。


「でも武器を持っていますよ。」


こっちは何にも装備をしていないのに突っ込んでいくのだろうか。


「ほっほっほ、人間当たって砕けねばわからないこともある。

 何事も経験じゃぞ、河ちゃん。」


「はっはっは、長老はすぐにあだ名を付けたがるからな。

 でも、それだけ親しみを持たれているということだよ大河君。」


「でも、武器も無くて撃退できる自信が一切ないんですけど。」


「何のために師が居ると思っているネ。」


「助けてくれるんですか?」


キョンシーさんは首を振り


「師に修行を任せると言うことは達人の谷は突き落とすっていうことネ。」


「そうだぞ大河君、達人になることを師に任すと言うことは、

 達人という目標に向かって上るのではなく、

 一度入ったら最後、達人に成るまで決して抜け出すことのできない谷に落とされるということだ。」


無謀にも無謀すぎやしませんか。


「幸い相手はモンスターのようだ。

 人間にうまく擬態しているがアレはドッペルゲンガー、今の君と大体同じくらいの戦闘力を秘めているし良い検証ができる。」


あ、もう俺ってこの人たちのモルモットみたいです。


「デモ、ヨワイヨー、タイガ、マケルヨー。」


「ふむ、マサドラ君の言う通りだね。

 このままでは負けることは確実、

 長老、負け癖が付くと面倒では?」


「そもそも喧嘩慣れしておらんじゃろうて。

 しかし、慶君やシム君は儂らよりも人に教えることに慣れておったのう。

 ならば慶君とシム君に大河君のことを一任するとしよう。」


「では今来るドッペルゲンガーについては捕獲して、彼の対戦相手にしましょう。」


すると秒でドッペルゲンガーが捕まった。


人間のように見えていた生物は不定形の存在に変わっていた。


「スライム?」


「ほう、ようきがついたのう。

 こやつはスライムの一種じゃ、対戦相手にはもってこいじゃよ。

 ドッペルゲンガーは皆スライムから生まれてくることをダンジョンマスターは知らんことが多いが、この形態でよく気が付いたのう。」


確かに今も辛うじて人間の面影を残した陰のような色をしているが、不快になる感覚がどうにもスライムのようにしか感じられなかった。

纏わりつくような不快感はスライムの特徴として有名な話だった。____________________________


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スライム道

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