第6話
「そもそもだ。
知恵の門は答えに繋がるモノならなんでも顕現できる。
砂手、鷹、一度はやったことがあるファミリーレストランの出来事を覚えてるか。」
「ドリンクバーか。」
「つまり。」
「ミックスジュースの調合だな。」
「けどジュースとかやると何が起こるかわからないぞ。」
「文明レベルが中世ヨーロッパって言ってたし、甘い飲み物は高級品扱いになりはしないか?」
「香辛料とかはキャラバンの荷物を見るとあまり見なかったな。」
文明レベル的にそれはアリなのか?
という声が上がるのは当然だ。
「需要と供給で言うなら需要の方が高い。」
「供給が薄いと高くなるからな。」
「砂糖は畑にも使えるし、ドリンクバーみたいな添加物の多い商品を畑に入れるとどんな化学反応起きるかわからんな。」
「液体の行き来は鷹の海のダンジョンでマンガ喫茶風味にしてるところから流出が確認できてるし、環境破壊をする可能性があるなら辞めた方が良いな。」
試しに作った海のダンジョン内の知恵の門にチュートリアルとして軽い子どもでも答えられるような水は液体、個体どっちという簡単な問題にヒントとして雨を常時降らせる罠を造った結果。
雨は流出していたからだ。
ダンジョンポイントの維持費はかからないことは変わらなかったしコスパはよろしかった。
「問題はそこじゃない。
調合結果を問題に組み込めるってことだ。
これなら水だけじゃなくガソリンも知恵の門次第では生成可能だ。」
「それこそ3Dプリンターでカギを造る門があっても良いかもしれねえな。」
「一先ず、海のダンジョンと同じように雨を降らすのが一番いいのか?」
「砂漠のダンジョンだったらそれはアリだが、王都のダンジョンでそれはすべきじゃねえな。」
ダンジョンに入る時点で身体の体温が奪われることは、長い探索をするかもしれない場面で最悪を想定するだろう。
塗れた衣服で活動する時間が長ければ長いほどストレスが溜まり、そのまま死にかねない。
「なら泉とかが使える知恵の門か?」
「普通にモンスターを入れてみるのもありだな。」
「そんな奴いたっけ?」
「水棲系モンスターの中にそんな奴らが居たぞ。」
いよいよダンジョンらしい案が出てきたぞと聞こえた気がした。
「ここに寄越した人もなるべく生物に殺傷をしてほしいんだろうよ。」
「そうでないと殺したときにダンジョンポイントを付与しないだろうしな。」
「仕組みを予測するなら細胞が壊死した数とかそんなんで集計しているのかもしれないな。」
「そういえば植物とかって試したことあるか?」
「植物を試したことがあると言うと?」
植物がダンジョン内に入ってくることは皆無だ。
海のダンジョンなら植物プランクトンが来ていてもおかしくは無いが……
「さっき言った細胞が壊死したことに対する検証だな。」
「モンスターのシステムも検証が必要になるな。」
「しかし知恵の門はダンジョンのルール外で起こっている可能性が高い。
他のトラップも試したが知恵の門だけ特殊なんだよな。」
「落とし穴に水攻めを組み込むと結構お金かかるし。」
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スライム道
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