〈警察〉

　ピンポーン

「サキさーん、サキさーん」

　……何度インターホンを鳴らしても返事がない。今まで体験したことのないほどの不安を感じた俺は、慎重に家の裏へと足を進める。角を曲がり、奥にある窓から薄く光が漏れているのを見たその瞬間、その窓から猛スピードで何者かが飛び出してきた。

「おい！　誰だ！」

　その人物は窓から出た高さから更に上へと昇っていき、上空5mほどの高さでピタリと止まった。

「ハハハハッ、このお菓子はワタシが貰った！　次はどの家に行こうかなハハハハハハッ！」

「サキさんはどうしたんだ！」

「さらばだっ！」

　男は空中で急加速をし、あっという間に隣の家を越えて去っていった。

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