新たなる組織編制と豊嶋式目

1485 9月 江戸城 豊嶋宗泰


10月の論功行賞でお披露目できるよう鋭意新組織とその人事、豊嶋式目の作成に当たっている。

まあ実際の所、豊嶋式目は太田道真、道灌親子や三浦時高などから意見を聞、大体出来上がっているのだが、新組織名とその人事、というか名前と人事、そして役割の線引きでかなり悩んでいる。

名前を考えるの苦手なんだよね…。


まずは名前、とりあえずチートアイテムのPCを開いて日本の政府組織図を見て決め、新設する組織は省を付ける事にした。

中国の魏や晋の時代には宮中に置かれた官庁の呼称として使われていたみたいだし…。


そして作る省は、農政省・領土建設省・文部保健省・技術省・産業省・法務裁断省・外交省・海外省・交易流通省・大蔵省・寺社省の11個にし、纏め役は長官との呼称を付ける。


とりあえず大雑把に、

農政省は、白子朝信を長官に任命し、新たな所領となった土地の農業改革及び、既存の土地の開発、農作物の品種改良などなど…。


領土建設省は、木戸孝範を長官に任命し、治水作業全般に加え、道路建設や港湾建設などなど…。


文部保健省は、宮城政業を長官に任命し、学問所の建設運営、診療所の建設運営、医療技術の向上などなど…。


技術省は、板橋頼家を長官に任命し、武具のみならず、農機具開発から船などの建設、技術向上、新技術の導入、運用などなど…。


産業省は、滝野川守胤を長官に任命し、豊嶋領内で産業の企画導入、技術導入、鉱山開発などなど…。


法務裁断省は、譜代重臣の後藤秀正を長官に任命し、豊嶋領内の治安維持及び、裁判などなど…。


外交省は、斉藤勝康を長官に任命し、朝廷、幕府との交渉や他家との交渉などなど…。


海外省は、長官は未定だが、外国との交渉、取引管理などなど…。


交易流通省は、川上屋彦左衛門を長官に任命し、国内の交易路の確保、開拓などなど…。


大蔵省は、宇田川清勝を長官に任命し、豊嶋家の財政及び各省への予算編成などなど…。


寺社省は、風間元重を長官に任命し、豊嶋領内の寺社の管理、三峯神社の建立、三宝寺の建立促進、祭事の企画運営などなど…。


だ。

とは言え、結構役割が被っている省が多いので一度運用をしてみて役割分担を変えるつもりでいる。

所領が大きくなっていくにつれて、今のようにただ漠然と一門衆や家臣に命じるよりも、まがいなりにも役割を明確化しておいた方が多分良いような気がするし、何よりも日ノ本を統一した際、統治機構の土台にも出来る…気がする。


因みに、宇田川清勝と川上屋彦左衛門は商人だが、息子たちに家を継がせ、豊嶋家の為に働いてもらう予定だ。



あとは軍だが、これは軍務方として俺が直轄する、第一軍団から第八軍団までを編成する。


第一軍団は、俺直轄、云わば親衛隊。


第二軍団は、叔父の豊嶋泰明を大将、副将に赤塚資茂を据えて、武蔵東部・南部・西部の国人衆を傘下に収める。


第三軍団は、平塚基守を大将、副将に志村信頼を据えて、武蔵北部の国人衆を傘下に収める。


第四軍団は、太田道灌を大将、副将に小具秀康を据えて、駿河、伊豆の海賊衆を除く国人衆を傘下に収める。


第五軍団は、長尾景春を大将、副将に譜代重臣の土屋元親、肥田氏本を据えて、上野の国人衆を傘下に収める。


第六軍団は、武石信康を大将、副将に菊池武義を据えて、下総の国人衆を傘下に収める。


第七軍団は、矢野兵庫を大将、副将に山口高忠を据えて、相模の国人衆を傘下に収める。


第八軍団は、伊豆海賊衆の富永盛勝を大将、副将に鈴木繁宗、松下長綱、清水綱吉を据えて、伊豆、武蔵、下総、上総の海賊衆を傘下に収める。


そして庶務方を設け、兵站の管理をさせる予定だが、現時点で担当者は未定だ。

なんせ現時点で兵站管理を取り纏めれるであろう者が他の任に付いており、その他の者の中で任せられそうな人材が見当たらないから…。

なので、当分は各軍団から優秀な人材を派遣させ、各軍団の兵站管理をさせる予定にする。


鉄砲隊は、大半を第一軍団に所属し、第二から第六軍団には100程の鉄砲隊を配備し、必要に応じて各軍団に派遣する形をとるが、それとは別に専業兵士を各軍団に2000程の兵と指揮をする将、数人を軍団に付属させ、軍監的な役割と即応能力を備えさせている。


因みに、第七軍団は海戦専門に近いが江戸湾の防衛の役目を担い、必要に応じ兵の輸送を行うので一応軍団にしたと言う経緯がある。


そして軍団では無いが、風魔衆には秩父郡を与え秩父に風魔衆の拠点を移し、大泉は俺の直轄地に戻す事にした。

まあ、シイタケ栽培や酒造り、硝石作り、鍛冶工房なども秩父に移転させて今以上に機密保持を厳にする。

というか、長い事大泉を拠点にさせてたけど、機密保持に関しては大いに不安ではあったんだよね…。


鉢形城を与える予定の風間元重に水運を管理させれば江戸まで物資を滞りなく運べるし、何より、風魔衆の拠点にしたのは、秩父郡の大部分は山間部なので乱破を育てるのにも適しているし、三峯宮があるので、修験者達からも情報を得やすいだろうと言う事で秩父郡を風魔衆に与えたのだ。


勿論、農業改革、農地開発、治水、町作りは最優先で行ない、風魔衆の活動資金を潤沢にする、

というか、既に各種開発や建設に着手しているし、風魔衆なども既に移動を始めているんだけど…。


それにしてもやっと、念願の秩父が手に入った。

これで石灰岩が採り放題だし、金・銀・鉄・亜鉛・鉛・マンガン・珪砂が採れる鉱山もあるから、伊豆の鉱山と共に採掘が始まり軌道に乗ればかなり財政が潤う。


マンガンは電池が出来るな…。

電池が出来ても現時点では使い道は無いけど…。


後は豊嶋式目だけど、基本的に普通過ぎて面白みがない。


一部特例を除き、石高が10000石以上の国人衆は妻子を江戸城下に住まわせる事。


国人衆同士での争いは、力で解決せずに、法務裁断省に申し出て裁定を仰ぎ、それをせずに戦に及んだ場合、争いの大小に関わらず両者を罰する。


豊嶋に従う国人衆も年貢は5公5民とする事。


などの国人衆に向けた内容に加え、士分の者、領民を含む全ての者に対する内容になっている。


全ての者に向けた内容は、盗んじゃダメ、大怪我をさせたり犯したり殺したりしたらダメ、騙しちゃダメ、とか普通だ。


当然、村同士の争いも法務裁断省に申し出て裁定を仰ぐ。

暴力に訴えるのも、鉄火起請とかも全面的に禁止だ!


うん、豊嶋目録って、よく考えたら普通だ。

現代人感覚だからかな…。


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