所領を貰う

昨晩はネットでこの時代で何が出来るかを調べていて結構遅くまで起きていたのでとても眠い。

と言うかこの時代は朝が早い!!


朝日が昇り出した時には既に活動を始め、日が沈んで暫くしたら眠りについている。

まあ娯楽と呼べるものも無いし、夜間の光源は月明かりのみ、お金がある家は高価な蝋燭や油で光源を確保出来るもののハッキリ言って薄暗い。

なので日が昇る頃には動き出し、日が沈むと眠ると言うのが一般的だ。

そしてそれは豊嶋家にも当てはまり、城を警備する兵士を除き有事の際以外は当主である泰経もあまり遅くまで起きている事は無い。


それにしてもなんか騒がしいな。

そう思い、お付きの侍女らしき人に騒がしい理由を聞いてみたらどうやら今日は一門、重臣が集まって新年の祝いを行う為、その準備に追われているとの事だ。

しかも侍女の話では自分の快気祝いとお告げを受けた嫡男のお披露目も兼ねるらしいが、どうやら快気祝いは後付けで、お告げを受けた嫡男のお披露目を新年の祝いの席で行おうと言う腹積もりらしい。


科学も何も発達していない時代だからお告げを受けたと言ってしまえば例えそれが迷信だったとしても信じてしまう人が多い時代だからね…。

実際、ライターが使えるか試しに火を付けたら妖術が使えるようになったのか? と父や母に驚かれたし。

使い方を教えたら暫くの間、夫婦で思いっきりカチカチして火を付けては驚くを繰り返していたけど。

それよりも驚いたのは昨日箱から荷物を出したはずなのにノートPCとスマホ以外が朝起きたらまた箱に入っていた事だ。

恐らく中身を出しておけば翌日にはまた補充されているとの予測を立てて中身を空にして実験をしておいた。

ただ生物まで毎日補充されるのは若干厄介だな…。

牛肉がサーロインやカルビとか焼き物に適して居る部位だったらまだ良いんだけど、スネ肉なんだよね…。

まあ焼いても食べられない事は無いし、スネ肉より安かった牛スジを買わなかっただけ良かったと思おう。


そして家族団欒? の朝食を食べ終わった後、父に豊嶋家の所領はどの程度の石高があるのか聞いたら、「30000貫ぐらいじゃ!!」との事だった。


ていうか自分の所領の石高正確に把握して無いんかい!!

確か昨晩ネットで調べたら2石で1貫、そして1貫が1000文らしいから、おおよそ60000石、確かネットでは68000石ぐらいの石高があったと書いてあったから最低でも60000石はあると思いたい。

これはまず検地を実施して石高を完全に把握しないと。


食後、色々と得た知識があるので試す為の所領を欲しいとお願いしたら、家老で自分の守役である原田時守の所領に近い大泉一帯を与えられた。

大泉は白子川の流域で、下流には一門衆である白子朝信の領地があり、近くに原田時守の所領がある。

要は守役と一門衆が目付の役割を果たすものと思われる。

因みに所領とは別に鍛冶師を5~6人欲しいと言ったらこちらも用意すると言われた。


さて、大泉一帯を貰ったけど、貫高は1000貫ぐらいと曖昧だったので今年の田植えから色々と試したうえで検地をしないと…。

いや、肥料なんかは今から作っても今年の田植えまでには間に合わないだろうから来年検地をしよう。


今年は正条植えの導入と治水、物作り、そして田畑の開墾に力を入れよう。

幸い、ジャガイモ、サツマイモ、ニンジンがあるから水田に向かない場所でも芋類の生産に力を入れれば収入にはなるはず。

ただニンジンは頭の部分土に植えても育つのかな?

まあものは試しとやってみよう。


後は、蕎麦に稗、粟、菜の花を栽培し、そしてニワトリの飼育をしたいな。

鶏肉は良質なタンパク質が摂れるから身体づくりには必須だし、肉を食べる習慣を付けさせないと。


ビジネスバックに入っていたノートにやりたい事を書き出していると相当な数になった。

恐らく鍛冶師だけじゃだめだから職人も集めてもらおう。


これから改革を起こし8年後、太田道灌に滅ぼされないぐらい豊嶋家が力を付けないと。

そう心に決めて今後やる事に優先順位を付けて居たら侍女が呼びに来た。


いつの間にやら昼過ぎになり、一門衆と重臣が集まったようでそろそろ新年の祝いを始めるらしい。

さて、父親である泰経は普通の人って感じだけど、この時代の武士はどんな感じなんだろう。


ある意味楽しみでもあるな。

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