第5話

おかしい。あれからもう一ヶ月近くたっているのに私の牢屋にくるのは食事を運びにくる騎士だけだ。すぐ死刑になって殺されんと思っていたが何がどうなっているの?どうせならもう早く死にたいわ。そう思い始めた頃わたしの元にリドル(私の体の)とエーミールと公爵様がやってきた。リドルは私を見た途端震えて泣き出した。

「うぅっ!怖いです…公爵様怖いです!!」

私は呆然とリドルを見ていた。

「大丈夫だ。マリア!私とエーミールも付いている。安心しろ!」

「お母様落ち着いてください!大丈夫です。」

私の家族が、私じゃない私を守っている、庇っている。こんな理不尽なことある?

「リドル…なんでこんなことしたの?教えて。あなたは入れ替わることをわかっていてやったの?なにが目的なの?私のことがそんなに嫌い?ねえ、教えてよリドル!!」

私は鉄格子の間からリドルに触れようと手を伸ばした。足に鎖がついているので私は地べたを這いつくばるような状態になった。あと少しで届くという所で私は公爵様に足を踏まれた。

「いっ痛いぃ!!」

私は泣き叫んだ。

「言ったよな?次そんな戯言を言ってみろと。」

公爵様はとても家族想いだ。だからこそ、自分の愛する妻を襲ったのが許せないのだろう。その愛する妻が今公爵様が手を踏んでいる私なのに…!



「公爵様!話があるんですが、私はリドルを許します!!そしてまたこの邸宅で働いてもらいます。」

「?!」

私は涙が止まるくらいびっくりした。どういうこと?

「お母様!どういうことですか?」

「こいつはマリアのことを殺そうとしたんだぞ?!」

とうぜんエーミールも公爵様も驚いていた。

なんで?

リドルは私のこと逆恨みしてるんじゃないの?なんらかの方法で入れ替わることを知っていたうえでやったんじゃないの?

一体何を考えているの?リドル…!





   作者より

皆さんなんか最近読んでくれてる人が増えていって嬉しいです。なんか今のところ私もですけど読者の皆さんも「なんでマリア夫人がこんな理不尽なめにあっているの?!」って思っていると思います。でも。安心してください!はいてますよ!じゃなくてちゃんとやり返しますよ!!これは復讐劇なのですぅぅ!



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