第3話

    お昼

私は天気がいいのでエーミールと庭園で小さなティーパーティーをしていた。

「それでねお母様、あの時ムァディナー子爵がワトソン皇太子の前でおならをしたのよ。ほんとに場が凍ったわ。」

エーミールは3日前に行った皇太子が来たパーティーの話をしていた。この子はとてもパーティーが大好きであるたびに行っていた。

「あらそうなの。ムァディナー子爵ったら。変なことするわねー。」

私はニコニコしながらエーミールの話を聞いていた。ほんとこの子はおしゃべりね。

ふと時間を見ると一時を超えていた。

「エーミール、残念だけど私今から別館に用事があるの。また今度お話ししましょう。楽しかったわ。」

そうだ、忘れる前にちゃんと例のメイドに注意しとかなきゃ。

エーミールは少し悲しそうな顔をし、

「わかりました…、ではまた後で。」

と言った。



    別館にて

私はモリーと共に別館に向かった。

すると例のリドルというメイドを見つけた。真っ赤な髪の毛が目立っていてすぐにみつけた。不自然なそばかすも目立っていた。多分ファンデーションで隠しているのね。隠しきれてないから逆に目立ってるわ。そう思いながらも彼女に近づき、話しかけた。

「ご機嫌よう、あなたがリドルかしら?」

急に話しかけられてリドルは軽くビクッとしたが、話しかけてきたのが公爵夫人だったのでもっとびっくりしていた。

「え、えっとそうですが私に何か用でもあるんですか?」

彼女は頑張って丁寧な言葉を頭の中で作っているように見えた。リドルはふいていた階段の掃除を中断しこちらを向いた。

「あなたよね?私の噂を流しているのは。」

私は堂々とリドルに聞いた。

「え?あーえと、」

リドルは明らかに動揺していた。

「誰よ公爵夫人に言ったのは…」

心なしかボソッとそう聞こえた気がした。

「?何か言った?」

私はリドルに聞いたが、いえ…と言った。

「何のことでしょう?」

リドルはとぼけた。嘘つけ、他のメイドに愚痴を言ってる所をついさっき聞いたわよ。

「これ以上嘘をつくのならあなたを解雇します。もうわかっているのよ?この耳で聞いたのよ。観念なさい。」

私は少し強気に出た。するとリドルが、

「…。そうです、私が噂を流しました。夫人のことを逆恨みしてたので噂を流しました。すみませんでした。」

と言った。よかったぁ、間違ってたら私もう恥ずかしかったわ!と思っていると、急に視界が斜めになった。

「マリア様!!」

モリーが叫んだ。私に覆い被さるようにリドルも落ちてきた。もしかして、私…リドルに階段から突進された?嘘でしょ。この階段24段もあるのよ?それにリドルあなたも落ちてるじゃない。あぁ、そっかリドルは下に私がいるから安全じゃない。そう思っていると背中に強烈な痛みを感じ、私は目を閉じた。

しばらくし、私は目を開けた。あれ?もう痛くない。目の前にはモリーがいた。急いで階段を降りてきたようだ。

「モリー。私は大丈夫よ。もう痛くないわ。騎士達を呼んで、リドルを訴えるわ。」

私はゆっくり立ち上がるとモリーにそう言った。だが、モリーは

「なにをいっているの?あなたがマリア様を突き落としたのでしょう!!」

と怒っていた。? どういうことだ。

一体何が起きているの?

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