第2話

「あはようございます。公爵様。」

扉を開けるとディオラガン公爵、つまり私の愛する夫がいた。私は丁寧に挨拶をした。

「おはよう。マリア。」

公爵様は私を見ると、ニコッと微笑んだ。そして一緒に朝食を食べるためモーニングルームへ向かった。ディオラガン公爵家は私たちが住んでいる国、アルナージの中でも家族仲が良いことで有名である。他の公爵家などは政略結婚などが多いので、お互い愛し合っていないことが多いのだ。私と公爵様はちゃんと愛し合って結婚した。珍しいことではないがしあわせだ。モーニングルームには一人娘のエーミールがいた。

「おはようございます。お母様、お父様。」

エーミールは私が誕生日にプレゼントしたピンクのドレスに身をまとっていた。いつ見ても可愛らしい私の大切な娘だ。アルナージのありとあらゆる伯爵家や公爵家の人がエーミールを狙っている。それは公爵家の令嬢だからか可愛いから狙っているのか。どっちかわからないな。まあ、とにかくエーミールも今は恋愛する気はないみたいだし、本当にエーミールのことを愛してくれる人としあわせになって欲しいと思っている。私と公爵様みたいに。

「お母様?ぼーっとしてどうしましたか?」

私がエーミールのことを考えていると、エーミールが心配してくれた。本当に優しい子だ。私はニコッとし

「いいえ、何でもないわ。さあ、食べましょう!今日のご飯も美味しそうね。」

と言った。

「うん。美味しそうだ。冷めないうちにいただこう。」

公爵様もそう言ってみんなでご飯を食べてた。



     次の日


コンコン。

誰かが私の部屋の扉をノックした。

「どうぞ。」

私はその誰かを部屋に通した。その誰かは、執事のエラリッヒだった。

「夫人、例のメイド見つかりました。」

「そう。」

私はお茶を飲みながら言った。

「えーと…、別館で清掃などをしているリドルというメイドだそうです。」

リドル…。ふーん、別館の子はほとんど会ったことも無いのになんでそんな噂を流すのかしらね。まるで悪女ね。というか悪女ね。

「そうね…。私からじきじきに注意をするわ。」

そう言うとエラリッヒが少し驚いた。奥様がわざわざ言わなくても、使用人や私が言いに行きますけど…?という顔だな。

「私から言った方が伝わるでしょ?ちょっと圧かければいいだけだし。」

まあ、私のことを逆恨みかなんかしてるんでしょうね。ここの国の中ではうちはお給料は高い方だからここを辞めされられたら困るでしょうし、すぐやめるだろう。その時はそう甘く考えていた。まさかこんなことになるとは思っていなかったのだ。

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