第2話 嚙み合わない二人

東京都千代田区

ソニー・ミュージックエンタテインメント

第2応接室。


「コージさん、わざわざ最初から書き直して頂いてありがとうございます。

大分スッキリしましたね。次章に移る前にタイトルについて何ですが。。」

monogatary.com担当の高橋ユウトは、アメーバTV単発ドラマの原作となる作品について作者のウルトラコージことコージと打合せしていた。


「タイトルの『今宵はどうする?』じゃあダメなんですか。」


「いえいえ、ダメではないんですけど。少し分かりにくいかなあと。」


「どういうのがいいんですか?」

(なんだと、このゆとり野郎め。こういう思わせぶりのタイトルがいいだよ。分かってないな。)


「うちの事業部で上がったのが、『女スナイパーみかん』とか

『女スナイパーは派遣社員!』ですね。」


「なるほどね。」

(そのままやんけ!でも事業部だって言ってたなあ。とりあえず乗っかっとくか、

ここで心証悪くしても仕方ないしなあ。)

「いいですね、じゃあ『女スナイパーは派遣社員!』に変更しますか。」


「ありがとうございます。ドラマのタイトルなんでまあ、分かりやすく方がいいですもんねえ。それより、急遽お願いした女友達3人追加の件本当に

すいませんでした。」


「いやあ、仕方ないですよね。こういうことはよくあることだと思いますし、我々作家は与えられた条件をこなすだけですから。」

(ほんと何考えてんだよなあ、前日に言うことないだろ‼おかげでこっちは設定も大幅に変更しなくちゃならなかったし、ストーリーも結局変わっちゃったからなあ。

我ながらよく間に合わせたよ!!)


「そーなんですよね、無理やり主演女優の事務所からバーターで3人入れられないかって言って来たんですよ。もちろん最初は断ったんですが

アメーバTVさんからもお願いされて仕方なかったんですよねえ。」

(よかったあ、コージさんにはバレてなさそうだな。本当は僕が伝えるの

忘れてただけだもんな。)


「で、次の2章で女友達3人が登場するんですよねえ。」


第3話につづく

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