第5話 光線剣の発明

1.ライトセーバーの発明

 ヒーローものに武器はつきものですが、ど定番と言えるのが「光線剣」です。


 銃などの遠距離武器だと敵と味方が画面内に同時に収まらない、格闘戦だと絵的に映えない、そこで剣や刀を使ったチャンバラシーンがヒーローものでは昔からよく使われていましたが、剣を光らせることで派手な画面を作り出すことに成功しました。


 特別な力を持った剣という考え自体は、アーサー王のエクスカリバーや、北欧伝説のグングニル、日本神話の草薙剣等が古くから存在し、それらを映像化したさいに刀身が発光する演出もありましたが、「光線剣」の特徴は刀身が物質でなく「光」でできていることです。


 普段は「光刃」が鞘の部分に収納されていて、戦闘時に伸びて「光刃」となることで、キャラクターの移動時にも邪魔にならず、剣劇以外の格闘戦や、アクロバティックな動きも可能となります。


 この「光線剣」を世界的にメジャーにしたのが、1977年に公開されたスターウォーズです。ジェダイの騎士が操るその名もずばり「ライトセーバー」。ブーンという効果音に加えて、敵と味方で色分けするというわかりやすさ(ダークサイドは赤、ライトサイドは青か緑)が特徴です。光線なのに鍔ぜりあうというのは、物理的にはどうなってるんだというツッコミも無視して、銀河を舞台にド派手なチャンバラを繰り広げます。


 日本では1979年から始まったガンダムが「ビームサーベル」を振り回しています。ビームなのに鍔ぜりあうというのは、物理的にはどうなってるんだというツッコミも無視して、スペースコロニーを舞台に果てない戦争を繰り広げています。


 両作品ともエンタメ作品の金字塔ですが、もしも「光線剣」が作中で使われていなかったら、ここまでのヒットはなかったのではないでしょうか。それだけ視覚的なインパクトが強烈で、後の作品に多大な影響を与えています。ヒーローものの歴史に残る大発明といっても良いと思います。


2.代表的な光線剣

1977 スターウォーズ ライトセーバー プラズマの光刃

1979 ガンダム ビームサーベル ビームの光刃

1981 超人ロック 光の剣(後にサイコスピア(槍)と命名) 超能力の光刃

1982 宇宙刑事ギャバン レーザーブレード レーザーの光刃


 「光線剣」そのものが著作権的にどうなっているのかわかりませんが、適当に名前を変えれば、普段は「光刃」が収納されていて、戦闘時に「光刃」となる武器そのものは、利用できるのではないかと思います。


 また、私の知る範囲ではすべての「光線剣」が鍔ぜり合います。鍔ぜり合わない「光線剣」を出せば独自性が出せますが、残念ながら戦闘シーンは盛り上がりを欠くでしょう。

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