第15pedia お年玉
3人は初詣を終え、いつもの部屋に戻ってきた。
「ふぃー。やっぱり冬はこたつですなー。」
「ですなあー。」
帰って来て早々に、
「
「もしかして、お年玉ですか?さすがに受け取れないですよ?」
「まあまあー。開けてみてえー。」
中身が予期したものではなかったようで、彼女は不思議そうな表情でそれを取り出した。
出てきたのは二つ折りの紙。そこにはこう書かれていた。
『今回のお題はお年玉です』
「回りくどいことを…それを仕掛けるなら私ではなく、
そんな心配など必要なかったようで、間髪入れずに
「ポチ袋って、どうしてポチ袋なの?昔はわんちゃんが持ってきてたの?」
「心配は無用だったみたいですね!始めましょう!」
計算通りといったような笑顔を浮かべる
そして、眠たそうに、伸びをするように片手を挙げた。
「調べてえー。ヨミpediaあー!」
そんな
「
「んー、
「そんなことだろうと思って、ざっと調べましたので、補足お願いしますね。」
「はあーい。
「まず、大体予想はついていると思われますが、犬は関係ないです。」
「ワンチャン…」
本当に犬が関係していると信じていたのだろうか。
「…続けますね。起源として、その昔、茶屋娘や
「あとは『ポーチ』とか、フランス語の『プチ』が元になったとかあるけどおー、時代背景的にあんまり信憑性はないみたいだねえー。」
「ほえー。今はすっかりこれっぽっちじゃなくなっちゃってるけど、そうなんだね!」
「ちなみに、お心付けとは…?」
「義務ではないのですが、結婚式や、旅館に泊まる際など、お世話になるスタッフの方にお渡しするものですね。文字通り『お気持ち』です。いわゆる『チップ』といった方が分かりやすいでしょうか。」
「チップ!わかった!」
そして、首をかしげながらこう言った。
「今回のお題って『お年玉』でしたよね?これでは『ポチ袋』になってしまうのでは…?」
「確かにそうだねえー。でも長くなっちゃいそうだから、ここは
「では、お言葉に甘えて。お願いしますね。」
「まず、お年玉を配るようになった起源とされているのは、
「ええと、
「そーそー。『
「ほえー。もとはお餅を配ってたんだね!でも、どうしてお金になったの?」
「当時、お餅自体、希少価値のあるものでして、それに代わって金品を分け与えていた、ということもあったそうです。現在のように現金をお年玉とするようになったのは、高度経済成長期の頃と言われています。背景としては、そもそも『お餅をついて
「ほえー。確かに餅つきするお家って少ないイメージあるね!杵と臼、確かにうちにもないし!」
「用意しようかあー?」
「なんでも用意してくださるのはありがたいですが、うちが倉庫になってしまうので、今回は遠慮しておきます…」
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