第12pedia 除夜の鐘
前回、前々回のあらすじ。
年末年始の買い出しに向かった、
道中、
現在は、買い出しが終わり、帰路についている。
「たくさん買ったね!帰ったら仕込みして、あとはだらだら過ごす!」
「そうですね。でもその前に一つだけしないといけないことが。」
「お雑煮の話だね!」
「いいえ。違います。」
「お雑煮のお話は年明け頃にしますので。今日は大晦日について話しておかないといけません。投稿日的に…。」
「トウコウビ…?」
「こちらの話です。それより、大晦日、気になりません?」
「気になるけどー…年越しそばの時の『
このままでは今回の話が終わってしまう…。
「その通りですが…。で、では大晦日といえば?」
「年越しそば、のことはもう聞いたし、除夜の鐘?」
「そう、除夜の鐘です!由来とかもろもろ気になりません?」
「大晦日に鳴らすのはあれでしょ。煩悩の数――108回鳴らすってやつでしょ?」
「うっ…そうですが、なぜ煩悩が108なのかとか、あとはほかにも諸説あるので、よければ聞いていきませんか!」
「そんなに言われるとだんだん気になってきた…!」
何とか
彼女はすぐに調べ始めずに、
今年最後になるので、いつものをやっておきたいらしい。
「あ、やっぱりスマホなんだね。ええと、調べて!ヨミpedia?」
「疑問形!いつもの本じゃないですけど…!」
少ししてから、
「そういえば、除夜の鐘の鐘って普段は叩かないのかな?あ、調べてるときにごめんね。」
「大丈夫ですよ。普段は時報だったり、法要の開始の合図として鳴らしています。」
「あ、やっぱり普段も使ってるんだね。」
「さすがに大晦日のためだけのものではないですね。ちなみに使われている鐘の正式名称は『
「ほえー。それは煩悩も断ち切れそうだね!」
「
「簡単なものなら!」
「では、煩悩の数が108である由来について話しますので、計算してみてください。」
「任せて!」
「電卓は…最終手段でお願いします。」
「あっ、はい!頑張ります…!」
そういうと
「まず、人間の五感や心を表す『
「
「正解です。これが『
「108だ!スゴイ!」
それを見た
「宗教の概念になるので、少し分かり辛かったですかね。もう少し説明すると、『煩悩』そのものは悪いものではないんです。辞書によると『心身に付きまとい、心をかき乱す、一切の妄念・欲望』とされています。ですが、仏教の用語としての『煩悩』は『身心を悩まし煩わせる心の働き』とされていますので、それをすべて取り除いてしまおう、というのが除夜の鐘ですね。」
「なるほど納得!」
「あと108回たたく由来が諸説あるといいましたが、1つは『四苦八苦』です。『人間のあらゆる苦しみ』の総称ですね。
「えっとえっと…108!」
「ほんとに計算しましたか?」
「してないです!」
「正直で良いですね。」
そう言われ、
「褒めてませんよ?」と
「あともう1つ、気候や季節の変わり目を表す暦に由来しているという説です。これは12か月と、『
「ほえー。なんだかよくわかんないけど、いろいろあるんだねー。」
「最後のについては、私もよくわかってないですが、諸説あるんだなと思っていただければと。」
そうこう言っているうちに家に到着した2人。
彼女は、扉を完全に閉じる前にピタッと止まり、振り向き、玄関に向かって語り掛けた。
「年内にここまで読んでくださった方がもしいらっしゃいましたら、ありがとうございます。年内でなくとも、読んでくださった方にも感謝を。引き続き、よろしくお願いしますね。それでは、よいお年を。」
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