第11pedia おせち
前回のあらすじ。
買い出しに向かう途中で、おせちとお雑煮と年越しそばの由来に疑問を持った
ひとまず、年越しそばのことを
「では、おせちの由来について。少し長くなりそうですが、頑張って聞いてくださいね。」
「はい!お願いします!」
「起源は、平安時代の
「ほえー。偉い人しか食べられなかったんだね!めっちゃ特別なお料理って感じ!」
「そうですね。あれだけ豪華なら、宮中料理というのも納得です。」
そのまま説明を続けようとする
「ごめん!1つだけ質問いい?」
「どうぞどうぞ」
「ごせちえ?って5日間あるの?」
「5日ありますが、連続してあるわけではないですね。それぞれ呼び方もあるので、一応紹介しておきますか。」
と言いつつ、
「どうしたの?」
「や、これ説明すると長くなるかなと…ま、いっか。いきますね。」
「お願いします!」
「まず、1月1日『元日』、それから1月7日『
「端午の節句って聞いたことあるね!でも、11月の下の卯の月っていつ?」
「端午はこどもの日ですね。
「ふむふむ。5日間バラバラにあるってことはわかった!」
「で、その『
「よくわかりました!ありがとー!」
おせちの起源について話しているうちに、最寄りのスーパーに到着した。
すっかりお正月ムードになっているスーパーの一角にある、おせちコーナーへと向かう。
「一応確認しますが、おせちは出来合いのものにします?」
「作ります!」
「さすが
「助かります!!」
おせちの具材を眺めているものの、一向に買い物かごに入れる気配がない
「どうかしましたか?重箱なら多分、管理人さんに言えば――」
「おせちの食材ってさ、一つ一つに意味があるよね?」
「…まさか全部説明しろとでも?」
「いや、全部はさすがに悪いので、今からかごに入れるものだけでも…!」
「それでもかなりの量になりそうですが…できるだけ簡潔に説明するよう努力しますね。」
2人で目を合わせて、意を決したように頷き、
「調べて!ヨミpedia!」
「…と言われましても、今回は
「あ、はい!」
そういわれた
「まずは――黒豆!マメに暮らすようにだっけ?」
「そうですね。無病息災と長寿の意味が込められています。」
「次!昆布巻き!これはよろこんぶ!」
「…はい。あと巻きは『結び』を意味しており、縁起がいいとされています。」
「伊達巻き!甘い!おいしい!」
「勢いだけでしゃべってません?伊達巻きは巻物のような形をしておりますので、『知恵が増えること』を願うといった意味があります。」
「栗きんとん!甘い!おいしい!」
「語彙力が問われてきましたね。栗は『勝負運』を上げる縁起のいい食べ物とされています。また、小判をイメージした見た目から『お金がたまるように』と豊かな暮らしを祈願するものとされています。」
「かまぼこ!…はどうして紅白なんだろ?」
「色に意味がありますね。紅は『魔除け』白は『清浄』の意味があります。また、半月型をしているのは、初日の出を模しているとか。」
「かずのこ!ぷちぷち!」
「ぷちぷちですね。ニシンの卵です。たくさんの卵ですから『子孫繁栄』の願いが込められています。」
「あとはー海老!これも紅白?」
「紅白…ではなさそうですね。腰が曲がるまで長生きするようにと願われる『長寿』祈願と、脱皮をすることから『出世』祈願が込められているそうです。」
勢いに任せて、いくつか食材をかごに入れた
「ぱっと聞けるのはこれくらいかな?あとはごまめとか紅白なますとかお家で仕込むものだから、野菜とか見に行こう!」
「わかりました。ちなみに、ごまめは『豊作』、紅白なますは『平安と平和』だそうです。」
「ほえー。ありがとう!今年のお正月はいつもより楽しめそう!」
一通り説明を終えた
「そういえば、
「はっ、忘れてた!」
「じゃあ、おせちは
「あ、キムチ鍋でお願いします!」
「もう決まってたんですね。わかりました。取ってきますね。」
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