第7pedia サンタクロース
前回から引き続き、二人は庭に突如現れたモミの木の飾りつけをしている。
「クリスマスについて、まだ気になることあるんでしたよね。サンタさんのことですか?」
「あ、もういいんだね。そのとおり!なんだけど、どうしてわかったの?」
「サンタさんを話題に出したときに突っ込まれるかなと、少しだけ考えてましたので。」
「さっすが
「ということで、先ほど調べてきたので、始めますね。」
「お、教えて!ヨミpedia…!」
それを聞いた
「…私はヨミpediaではないです。あと教えてだとなんか…ね?」
「あっはい…サンタさんのこと教えてください…。」
「では、始めます」と言わんばかりに、
が、分厚い手袋のおかげで、ぼふっと鈍い音が鳴る。締まりがない。
「ええと、サンタさんですね。
「優しくて、おっきくて、プレゼントくれるおじさん!」
「間違ってはないですが…見た目はどうですか?」
「赤い服を着て、立派なお髭で、トナカイとソリと大きな袋を持ったおじさん!」
それを見た
「かなり力持ちなおじさんに聞こえますが、大体の人がそう答えますよね。では、トナカイとソリと大きな袋は置いておいて、おじさんのイメージはどこから来たと思います?」
「おとうさん!」
「いきなり夢を壊すような発言を…。正解は、かの有名なコカ・コーラ社のクリスマスキャンペーン用の広告に、そのような姿のサンタさんが描かれていたことが元になってます。」
「ほえー。さすが世界のコカ・コーラだね!」
「あと、トナカイとソリでしたっけ。これは、クリスマスの起源のお話にも出てきた、北欧の人々の生活がベースになっています。実際に当時北欧にいた『サーミ人』たちが、トナカイにソリを引かせて荷物を運んでいたことが元だそうです。」
「ほえー。サンタさんのソリって空飛んでるイメージあるけど、サーミ人は空飛べたの?」
「そうですね。」
「えっ。えっ…?」
本気にしている
「正確にはそう考えられていた、というお話があります。当時のアメリカ人は、サーミ人が魔法を使えると考えていたことが元だそうです。」
「な、なるほど。実際そうだったわけではないんだねー。」
飾りつけも後半に差し掛かり、あとは手の届かないところを残すのみになった。
「そういえば、サンタさんってどうして『サンタクロース』っていうの?」
「それは元になった方とちょっとしたお話がありまして――まず、もとになった方がキリスト教の司祭である『ニコラウス』さんです。サンタの由来になったお話として、彼が真夜中に、ある貧しい家の窓に金貨を投げ入れ、その金貨が偶然、靴下の中に入っていた。というお話があります。このお話が言い伝えとなって、『夜中に家に入って、靴下の中にプレゼントを入れてくれる』と伝承されてきたのが、サンタクロースのお話です。」
「んん?どうして『ニコラウス』さんが『サンタクロース』に…?」
「彼はキリスト教の司祭――正確に言うと『聖ニコラウス』さんです。『聖』は『セント』と読むので『セントニコラウス』。だんだん近づいてきましたね。あとはいくつか説があるようですが、オランダ語に直すと『シンタクラース』だとか、そのまま訛って『サンタクロース』になっただとか。」
「ほあー。語源って意外とあいまいなものが多いんだね。」
「ご満足いただけましたか?」
それを受け取りながら、「あと一つだけ――」と
「わたしでもサンタさんになれるかな?」
「公認サンタクロース試験というものが、本場のグリーンランドにあるそうですので、合格すればなれるのでは?」
星をツリーに突き刺し、脚立から降りてきた
「そんなになりたいですか…」と言いながら、本を開き、何かを調べ始める
「そもそもの条件として、『結婚している、子供がいる、離婚歴がない、サンタクロースとしての活動経験あり』と記載がありますので、
「そんなあああ」
「その他に、実技試験、面接などなどあって、面白いので、気になった方はぜひ調べてみてくださいね。」
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