仲の良いお嬢様が引き取ってくれたと思ったら、実はヤンデレお嬢様に買い取られていた

さ、遠慮なさらないで、入って?


ここが今日からあなたのお家


あなたも、今日から私の家族……姉弟よ♪


まだ、実感が湧かない?


そうよね……まだ、あなたのご家族が亡くなって、数日……


あなたは独りになってしまった……


けど、大丈夫、心配なさらないで


もうあなたは私のモ……家族なのだから


もしかしたら、前よりも何不自由なく暮らせるわ


だから、まだ悲しいだろうけれど……ここでゆっくり、心の傷を癒して?


あぁ、勿論私も、弟になったあなたのことを癒して差しあげます


んふふっ、さ、遠慮しないで?


//囁き

姉にぎゅって、抱きしめられて?


ぎゅぅぅぅ……♪


んふふ、ほら、実感できた?


うちの子になったこと♪


ん? どうかしたのかしら?


なんで引き取ってくれたのかって?


それは当然でしょう?


私と仲が良いあなたを、路頭に迷わせたら心が痛いですもの


ね? だから、あんまりそういうことはお気になさらないで


ただ、私を、お姉ちゃん、って呼んでくれたらいいのよ?


ね、呼んでみてくださらない?


~~~~~~~!!


んふふっ、可愛い弟っ♪


大丈夫、大丈夫だからね……


一生、お姉ちゃんが守ってあげますからね……


んふふふふっ……♡


//場面転換


//ドア開け


あら、どうしたの?


そんなに切羽詰まった顔をして……お姉ちゃんに、何か聞きたいの?


……え?


うちの両親をやったのは、お前か……?


あら、私の弟がそんなはしたない言葉遣いをして……め、ですわよ?


それに、やったというのは……どういうことかしら?


あなたのご両親は、確か事故死、でしたわよね?


事故を起こさせたのは、私?


あらあら……そんな、人聞きの悪いことを……


ただ、少しだけ……ご両親があの世に逝くのを、手伝っただけですわよ?


私は何も……ただ、お金を少々、人の命を、少しだけ支払っただけ


ね? 別になんてことはないでしょう?


ふざけるな? なにが?


別に、そんなことはどうでも良いでしょう


どうせ、もう戻らない命なんですもの


そうでしょう?


あなたは、将来を望むなら、もうこの家から出られないわよね?


もしも本当にあなたの姉があなたの本当の両親を殺していたことを知って、今更何になるんですの?


ねぇ、聞かせていただけないかしら?


……この家を出て行く?


ん……ふふっ……


あははははははハハハハハはっ!


ふふ、私ったら、はしたなく大笑いしてしまったじゃないですか


変な事を言うのね……? この家を、この屋敷を出て行く、そう言ったのよね?


でもね……? そう簡単にはいかないと思いますの


あなた、まさかぼぉーっと日々を過ごしてたわけじゃないですわよね?


屋敷のいたるところに警備の者がいて、


屋敷自体も厳重に管理されている……


そこから、逃げられるとお思いなのでしたら、あなたは本当におバカさん……♪


可愛くて愚かな、弟ね?


ふふ……可哀そう♪


中途半端に事実を知ってしまったから、憎しみを私にぶつけられず、とはいっても私のもとから逃げられない、可哀そうなペット……♪


ふふ……あら、気付いていたの?


あなたのことは、最初から弟なんて見てないわ……だって、弟なんて、結婚できないでしょう?


最初から、私のモノなのよ?


私の伴侶、私の夫、私のお婿さん……♡


だから……簡単に逃がしてあげると思っているのかしら?


だとしたら……愚かすぎて、ゾクゾクしちゃうわ♡


私が愛でていた人が、こんなにもおバカで素敵な脳みそをしてるなんて、私って凄くついてる♡


んふふっ、ふふふっ♡


こんなに愛せるあなたを買い取れて、本当に良かったぁ♡


あなたのご両親を殺すのも、他の親族に圧力をかけるのも、一杯お金を使っちゃったけど……お父様におねだりして、本当に良かった♪


//低音

だから、逃げられるなんて思わない事ね


でも、今のままだとしたら、凄く悲しいわよね……


だって、今のあなたは、私をどう思ってらっしゃるんでしたっけ?


そうそう……実の両親を殺した、憎い相手、でしたわよね


それだと、私がどんなに脅しても、あなたは私を愛してはくれない……


だったら……もう、壊しちゃって良いかしら


あらあら、そう怯えないで?


あなたがぜぇんぶ忘れたくなるまでいたぶって、いじめて、調教して、


あなた自身からぜぇんぶ記憶を捨て去れば……改めて、私の家族になれますわ♪


そんなことになるもんか?


果たしてそうかしら……?


人間には、心の重圧から逃げきって生き抜くための、言わば緊急装置みたいなものがあるのよ


それを利用すれば……あなたも、きっと私のモノになれますわ♪


例えば、あなたが嫌だ、やめて、助けてって泣き叫んでも、私はあなたとの愛のために、仕方なくあなたをいたぶるの……


あなたが、自分のことまで忘れて、私の言うことを全部素直に聞けるようになるまで、私はあなたに愛のムチを打ち続けるの……


でも、仕方ないわよね……


だって、これはみぃんな、私たちの愛の為なんですもの♡


んふふ……あははははははハハハハハはっ♡


そんな妄想したら……私、待ち切れなくなってしまいましたわ♡


だって、あなたの怯えるその顔が、凄くそそるんですもの♡


それじゃあ、今すぐにでもはじめましょ?


私とあなたが、真に愛し合えるまで、何度でも……♡


あなたが愛してくれるなら、私、なんでもできますの♡


覚悟、なさってくださいね♡

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