幼馴染「女の子になった!?」

(ドアを開ける音)


ちょちょちょ、ちょっと!


ほ、ほんとに君なの?


あの~、妹さんとか、お姉さんとかじゃなくて?


いやぁ、そのぉ、


幼馴染の面影が残ってるのは分かってるし、


姉妹がいないのも知ってるんだけど……


こうして見てみると……ねぇ?


朝、いきなり「女の子になっちゃったから、助けてくれー」、なんて、


びっくりしちゃうじゃない。


はぁ……ま、今日は学校お休みね~。


はぁ? まったく、女の子になって男のバカなところが引っ込んだかなと思ったら、そうでもないんだね。


君ねぇ、いきなり「俺、女の子になったからよろしく!」なんて、クラスどころか世界がひっくり返るわよ!


そ・れ・に!


女の子になったんだから、とーぜんっ!


服とか下着とか、全然持ってないでしょ?


女の子のこととか、まだ全然知らないくせにー。


ったく、私を呼び出しておいて、なーにを呑気に……


どうせ、「女の子になれた!やった!」くらいのスケベな考えしかしてないんでしょ?


ほらー、図星な顔してるー。


ったく、心配してみれば、こんのぉ~。


えいっ。


……なんで、男の君の方が、ちょぉっと、ほんのちょぉっと胸が大きいワケ!?


分かるわよっ!


もぉ……ったく、私の下着合うかな~……


へ?


あ、あぁ、そりゃあ助けてくれっていうから、私の使ってない新品の予備を……


あっ、まさか私が普段使ってる方だと思ったの?


そんなわけないじゃない!


も~、きみはほんっとに女の子になったのぉ?


女装とかじゃないよね?


いっ、いやいやいやいや! 下とか見せなくていいから、


さっきの胸の感じでわかってるから!


は、はぁ? えっちぃ?


ばっ、私はそんな下心で君のこと見てないよ!


え? 異性としても見てなかったのかって?


えっ、あっ、いや、そういうわけじゃなくて……ぁっ、いや、そういうことじゃなくて、いや、えっと、違うのは違わなくて……???


あぁもぉ! わけわかんないこと言わないでっ!


今は! 君のことを何とかする方が先でしょぉ!


はぁ……まずは、ほら、ブラつけてっ、


つけなきゃダメに決まってるじゃない、何言ってんのよ!


ほら、後ろ向いて。ホックつけてあげるから。


もぉ~……んー、なんとかしまったかなぁ……


ど? 苦しくない?


あー、まぁ違和感あるのは分かるけど、寝るとき以外はつけとかなきゃだめだからね。


あー、あと、あんま露出大きいのは着ちゃだめだからね。


なんで?って……なんでもよ! 女子先輩のゆーことは聞きなさいっ。


で、ほら……あー、下も男物……


ほら、脱いで。


私はあっち向いてるから、これ穿いて。


パンツと、とりあえずスカート。


嫌だぁ?


な、なんでよ……


パンツのシュミィ?


うっ、うるさいわねー! ちょっとオトナっぽいだけよ!


普通のは、普段私が穿いてるからダメなの!


いーやーじゃーなーいー!


女の子になったんだから、これ穿かなきゃあとあと困るんだって!


理由はあとで分かるんだから、今からさっさと穿き慣れた方がいいから!


ぐぬっ……そっ、そんなかわいい顔したって、だめだから!


ってか逆に穿かなきゃだめだから!


(小声)もう、すっごく可愛いなぁ…


ぇ? あぁ、いやいや、なんでもないから。


はぁ、ほら、スカートにも前後ろがあってね…こっちが前だから…


ん、なんか初めてだけど、スカート似合ってるね。


はいっ、あと、上着ね。


多分、もう合うと思うから。


……ん、似合ってる似合ってる、可愛いよ♪


あはは、女の子になったんだから、叩いたってそんな痛くありませんよーだ。


ほーら、女の子なんだから、お淑やかにしなくっちゃ。


今日から、色々助けてあげるし手伝ってあげるから、覚悟しておいてよね♪

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