ヤンデレ後輩「先輩は私だけの先輩なんです♡」

(ドアを開ける)


せーんぱいっ!


おーそーいーでーすーよぅ?


もう!


部活の時間忘れちゃったんですかぁ?


遅刻も遅刻!


大遅刻です!!


……えぇ?


文化部なんだから、いいだろって……


あまい!甘いですよ!


なら、お独り様で寂しく悲しく、趣味でやってればいいんです!


こうやって、みんなで集まって……


まぁ、私と先輩だけですけど?


部員みんなで活動することに意味があるんじゃないですかっ。


ほらほら!


先輩の用意も、もう私がほとんどやっちゃいましたから、


はやくこっち来て、部活はじめましょ?


なんか大変そうな感じもするから、


飲み物も、用意しちゃいました。


とりあえず、一口飲んで、ゆっくりしてください♪


……うん、いいですね。


で、そういえばなんですけどー


今日はなんで遅れちゃったんですか?


ふむふむ、先生に呼び出されて、とー?


あぁ~、課題ですか~、


……って、それ先輩のせいじゃないですかぁー!


も~、だめですよ~


そういうお前は大丈夫なのかって?


いやだなぁ、そんなことになるわけないじゃないですかぁ。


先輩よりも、優秀なんです~。


(低声)……で、そんな先輩は、大ウソつきのどうしようもない人なんですもんね♪


え? いきなりどうしたのかって……本当のことじゃないですか?


呼び出したのは先輩の幼馴染……


すっっっっっごく楽しそうに話してましたね……。


えっとぉ、「今日はまた授業でドジってたね」?


「あはは、もう私がいないとだめなんだから」?


しかも、このとき、抱き着かれてませんでした?


で、極めつけは、


「久しぶりに、また私の家に遊びに来ない」?


ですって?


なんで知ってるんだって、当然じゃないですか♪


ほら、胸の校章に縫い付けておいたんですよ……私のマイク♪


んふふっ、いつでもどこでも、なんでも聞いてましたよ?


先輩の教室でも、部屋でも……ね。


……先輩のことなら、そんな自称幼馴染よりも、ずっと、もぉっと知ってるんです。


なのに、先輩はそのヒトと仲良くしたいんですね。


でも、私は嫌です。


なんで幼馴染だからってそんなに馴れ馴れしいんですか?


なんで後輩だからって譲らなきゃいけないんですか?


私との関係はただの部活での先輩後輩ですか?


私じゃなきゃ……ダメなんですか?


そんなヒトよりも、私の方が、先輩のことが好きなんです。


先輩の全部が知りたいから、いつでもどこでも、


左耳にそのマイクに入った音が聞こえるようにしてるんです。


だから、私はいつも先輩と同じ授業を受けてて、


先輩のお友達とも会話に参加してて、


お部屋でも、私たち、繋がってて……。


どんなに離れていても、寝るときは一緒なんですよ……?


って、あらら……なんか、上の空って感じですね。


眠いんですよね……♪


それはそうですよ。


そんな幼馴染とやらと会話なんて、先輩には重荷すぎます。


そんな人より、私とずっと一緒にいた方が、


癒されて、愛されて、気持ちいいはずなんです。


まぁ、お疲れでしょうから、とりあえずは眠りましょう?


起きたときには、もぉっと、ずぅっと、


私と深く、つながれていますから♡


安心して寝てくださいね……。


おやすみなさい、せんぱぁい♡

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