ヤンデレ科学者「私の作った薬できみを変えてあげる」

……あ、起きたか。


あぁ、黙っててくれ。説明してやる。


この私と研究室で苦楽を共にしておきながら?


他の研究室のクソガキとつるんで?


挙句の果てには生殖相手に媚びを売っていた。


だから、きみは今、こうして私の実験室で、


実験台に拘束されているわけだ。


わかったかい?


・・・よもや、きみのような、


私の唯一の優秀な助手が、


私の言うことを理解できないことなんて初めてだな。


今までは、私のやることなすこと全てに同意してくれたし、


私の考えも、周囲はバカだのなんだのと言っていたが、


きみは、きみだけは私についてきてくれたな。


私は、その……嬉しかったんだ。


最初は、そりゃあ私だってきみを突き返していたが、


それでも、「きみは私の助手になりたい、研究を手伝わせてほしい」


と言ってくれたよな。


その前提条件で、私の助手になったことははっきりと覚えているんだぞ?


だっていうのに……はぁ。


(囁き)バレないと思ってたか?お前の付き合いのこと……


助手のことを把握しておくことも、私の役目だからな。


悲しかったよ……


私の助手でいてくれる。


私に人生をささげてくれる……


私に、一生ついてきてくれると思ったのに……


ゆるさない、ゆるさない……


自分で言ったよな?


一生、あなたの人生の助手をしますって。


言ってない?


いいや!


そういう意味で言ったんだろう!?


そういう意味だと思ったからこそ、私の研究室に推薦で入れてやったんだぞ?


なに、それともなんだ?


まさか、適当に過ごしてても大丈夫だからと私のところを選んだっていうのか?


……んふふっ


あははははははははははははは……


だよ、な……


まぁ、状況証拠とか、すぐに嘘ついて他の女のところへ行ったこととか、


気づいていて、気づかないふり、してたさ……


でも、さ……


もう、だめなんだよ……


君にいてもらわないと、さ……


ほら、もう、こんなに手が、震えて……


(囁き)き、君が悪いんだ……君が悪いんだ……


こうして、意識を作り変えてしまう危ない薬を、


君に注射するのも……君が、悪いんだ……


だって……そうだろう?


君が、私を騙したから……


騙してない?


いや、騙していた……私が、確認していたし……


しょ、証明だってできるっ!


くっ……も、もう聞きたくないっ!


私に優しくない君なんて、


私に従ってくれない君なんて、


私のことを……好きじゃない、君、なんて……うぅ……


でも、大丈夫……大丈夫だから。


私だって、研究者のはしくれだから……


君を薬一本で作り変えるなんて、簡単なことだから……


あぁ、うれしいなぁ。


頑張ったんだよ、私……


褒めて……くれないよね。


(囁き)今の君は、私のコトじゃなくて、他の女を見てるからね……。


あぁ、もう、今の君は嫌だな……


はい、腕をゴムチューブで圧迫してっと、


さ、痛くないから、注射、してくね……


ちゅ~……


……ん、おしまい。


どう?だんだん、私に何か感じてこない?


(囁き)だんだん、私に愛情が湧いてきて……欲情、してくるでしょ……?


んっふふ、そんな汚い言葉で罵ってきても、


(囁き)心がこもってないぞ?


(囁き)今は……私にひとめぼれして、告白したくなるような気分だろ?


まぁ、直に、完全に素直になるとは思うけど、


それまでは、このまま拘束させてもらおう。


完全に作り変えるのには、少し時間がかかるからな。


それまでは……そうだな。


(囁き)私をだましてた分、たっぷり調教、してやるからな……♪

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